18 両手持ち用の杖は探す
うーむ……結局ラーダさんの所行けなかったな……。
ま、しゃーない。
結構複雑な道なんだろう。
……お腹減ったな。
何か食べよう。
幸い近くにはお店が沢山ある。
よぉーし! なぁーに食っべよっかなぁー。
辺りを見回して目についたのは……
肉屋だ。
まあ異世界系では肉を食べるシーン多いしね。
そりゃあ食べてみたくなる。
よし! 行こう!
そう思いながら肉屋に行く。
「らっしゃい」
肉屋といっているが実際は焼いた肉を店の中で食うステーキ屋みたいなものだった。
ま、食べれたら全然それで良いんだけどね。
「どうも〜」
席に案内されてメニューを渡される。
さて、ここで問題発生!
メニューに書いてある意味が分かりませぇん!
『•グウレカの舌
•スウォレーレの腹身
•ウェンバッレの胸肉
•ガーラの足
•エルンガの皮
•グァレレの肝』
などがあったのだが……
なんの生き物かサッパリ分からない。
これでマジで変なのが来たら嫌だなぁ……。
そうだ。
「あのぉ〜」
「はい、なんでしょうか?」
「おすすめって……」
必殺! 『おすすめなんですか?』戦法!
これを言えば
「おすすめは……」
店員はメニュー表の大きく掲示してあるのを指さし
「このキューロのサーロインがおすすめです」
と言った。
へぇー、サーロインか。
「じゃあそれで」
「かしこまりました」
店員はそう言ってメニュー表を持ってキッチンへと向かった。
サーロインかぁ。
美味しいと良いんだけど。
待つこと約15分、サーロイン……ではない何かが来た。
「お待たせ致しました、キューロのサーロインでございます」
「あ、ありがとうございます!」
見た目を言おう。
巨大な白子である。
さらにうにょうにょと動いている。
……サーロインとは?
てかきっしょ! きっっっっしょ!
これ食えるの!? 本当に食えるの!?
辺りを見回してみると美味い美味いと言いながら食べる人がちらほらと……
ひぇー! 食うんだ! これを! 食うんだ!?
ならばまあ……食べてみよう。
美味しい……らしいし……
フォークとナイフで食べられるサイズに切る。
まだうにょうにょと動いている。
「うぅ……」
ゆっくり、だが見ないように、口の中に入れる。
舌に当たった時にうにょっと動くのがとても嫌だ。
そして口を閉じて噛む。
………………
こんなのでも美味いのか!
朝の時に食べた虹色魚のようにキモい見た目だが物凄く美味かった。
専用のタレをかけて食うとまた違った風味になる。
やべぇ、これ本当に美味い。
凄いバクバク食える。
あっという間になくなった。
「はぁー」
椅子にもたれかかり体から力を抜く。
そしてお金を払って外に出た。
うん! 最高に良かった。
見た目は最悪だがまた食べに来よう。
さてと……次は泊まる宿だな。
どこにあるんだろ……。
あっ、地図見よ。
ギルドマスターから貰った地図を見て宿がある方向に向かって【
結構色んな人に見られる。
あぁそうか、ここでは飛んだこと無いんだった。
前の街ではツリーウルフの大群を討伐した時に大半の冒険者が見て、その事を広めてくれたから飛んでても大して注目されなかったが、やはり普通はこのくらい注目されるのか……。
なんかめちゃくちゃ恥ずかしい。
そんな事がありつつも宿に着く。
「どうも〜」
目の前にはお爺さんがいた。
どうやらこの宿はこのお爺さんが経営しているらしい。
「いらっしゃい。一泊70ベイルジだ」
「では……一日泊まりで」
「あいよ」
部屋の鍵を渡され、その部屋のベットに横になる。
……前にいた街と変わらない。
ふぅー、結局どうやってラーダさんの所行けるんだろう?
行けそうな所は全部行った。
うーむこうなるとなんらかの魔法がかかっているとしか思えない。
でもなぁー、今持ってる魔法の中に魔法を解く魔法は無いからなぁー。
両手持ち用の杖……にならもしかしてあるか?
実際何百本もあるしあっても不思議じゃない。
というわけで探す。
そして探すこと1時間……。
無い。
無いわ。
魔法を解除できる杖無いわ。
でもまあ、あと100本くらい残ってるからその中にあるかもしれないけどね。
『称号:求める者 を獲得しました』
!?!? ビビったぁー!
突然来んのやめて下さいよぉー。
さてと……嫌な予感がする。
者って言ってたよな? 者って。
……ま、まあ見てみるか、うん。
【見る者】!
《名前︰メルア・ヴォン・スフェールド
HP︰350/350
MP︰1000/973(持続回復中)(上限突破可)
AP︰1250
DP︰150
SP︰650
スキル・魔法︰【
称号︰『両手持ち用の杖の覇者』 『【
うん、やっぱりそうだったわ。
【者】シリーズ来やがった。
でっ、でもなんか便利そうな魔法だな。
【探す者】……試しに使ってみるか。
【探す者】!
…………あれ? なんも起こらない。
おかしい、今までこんなことは無かった。
もう一回やってみてもなにも起きなかった。
あれぇー? この魔法は一体なんだぁ?
そうだ! 【
それ【見る者】で出来ねぇかな?
やってみよう。
【見る者】!
《魔法名:【探す者】
MP使用量:5
効果:発動時に探している物の場所を示す。
〝物〟と表記しているが、情報や人なども探す事ができる。
場所を示す際、一番近い物の位置を示す。
探しているものがない時、発動しない》
なぁーるほど!
だからさっき発動しなかったのか!
じゃあ試しに……自分以外の人にしてみよう。
……【探す者】!
すると、何となくだがこっちに行けばある。
と言った感じの気分になった。
あーこういう感じか。
まあその方向に行けばあるんだろうね。
よし、【探す者】解除。
解除すると発動する前の気分に戻った。
よし、ちゃんと解除は出来る……と。
んじゃあ次は……そうだなぁ……ラーダさんの場所にしようか。
【探す者】!
先程の気分になる。
あー、大体あそこら辺だな。
そう思い窓を見た後、地図を見てみる。
……? 【探す者】の効果で分かった行き方の道ないぞ? どういう事だ?
……これ多分隠されてるなぁー。
うわぁー、めんどくせぇー。
でもまあ流石ギルドマスターの知り合いだ。
一般人な訳無いよね。
んじゃ、この封印された道の抜け道を…………明日探しますか。
だって今日疲れたんだもん!
野宿して魚釣って飛んで肉食って何時間も道を探し続けたんだよ!?
疲れない訳無いじゃん!
なので寝る! 以上ッ!
そうして私は一日ぶりの布団で爆睡した。
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