16 両手持ち用の杖は生成する
飛んでいる途中、体に違和感を感じた。
んー、なんかいつにも増して疲労感が凄い。
やべ、気を失いそうになってきた。
一旦地上に降りて近くの木にもたれかかる。
うーむ、私に何が起きてんだろ?
一応【見る者】で私を見ておくか。
【見る者】!
《名前︰メルア・ヴォン・スフェールド
HP︰350/350
MP︰1000/63(持続回復中)(上限突破可)
AP︰1250
DP︰150
SP︰650
スキル・魔法︰【
称号︰『両手持ち用の杖の覇者』 『【
……わーお、私今MP少なすぎん?
だからこんなに疲れてんのか。
これじゃあ【
……やべぇ!
てかなんでこんなにMP減ってんの!?
あーいや、よくよく考えてみれば当然だわ。
ケルベロス討伐の時に色々やりまくったからなぁ……。
マジ大変だった。
まあそんな事はどうでも良くて、これどーしよ。
空飛んで行けないとなると徒歩しかない。
だが距離的に徒歩だと三日はかかる。
そして休むと魔物に襲われる危険性が高まる。
……どーしたらいいんだよぉ!
今のMPを見てみたんだけど100ちょいくらいしかないから、某ブロックゲームの初夜の土ハウスも作れねぇ!
でもこのままだと魔物に襲われて死亡!
……あれこれもしかしなくてもわたし詰んだ?
嘘だろ!? 異世界生活の死因がMP使いすぎちゃってどーしようもなくて死亡とか聞いたことがねぇぞ!
はぁ……やっぱりMP無いとヤバいんだなぁ。
MPをどうにかして増やそう。
でも、一体どーすりゃ良いんだ……。
魔法瓶とかそういうのは生憎だが持っていない。
『無限収納袋』の中には金と両手持ち用の杖達くらいしか無い。
やべー、本当にどしよ。
魔法の杖でなんとか出来ないかな?
ほら、買った時に何本かあるし。
その両手持ち用の杖の効果的なやつで素早く移動するとか仮拠点でも作れないだろうか?
ということで『無限収納袋』から取り出しまくって効果を見る。
ありがたいことに、【見る者】は、使用する時にMPを『1』しか使用しない。
だからバンバン発動できる。
そして杖を見続けること約1時間。
辺りは真っ暗になった。
一応残っているMPで【
一応自分を時々見てMPを確認しているが、先程35を切った。
はやくお目当てのもの見つかってくれー。
その時、一つの杖に目が止まった。
《名前:生成杖
消費MP:5
効果:MPを消費する事で様々な物を生成できる。生き物の生成は出来ない》
…………これだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
今必要なの間違いなくこれだろ!
【
作られろぉー、はよ生成されろぉー。
私がいま作っているのは『魔法瓶』だ。
よく市場にも売られていて、MPを回復できる液体が入っているらしい。
いやー、ずっと回復してるしいらないと思ってだけど、こういう時のことを考えて数本買っておくんだった。
まあ今はもう自作できるから良いんだけどね。
『生成杖』の先端から青いキラキラが出てきて、地面に少しずつ『魔法瓶』が生成されていっているのが分かる。
そして約3分後、出来た。
手に取りごくごくと中の液体を飲む。
味は……マジでただの水だ。
だが少し疲労が回復したのが分かった。
【見る者】で今のMPを見たところ、79になっていた。
この調子でやれば、なんとか土ハウスは作れそうだ。
因みに魔法瓶は飲むと消えた。
瓶が残らなくてかさばらないのは凄い便利だ。
取り敢えず、作って飲むを繰り返す。
めちゃくちゃ運良い事に、魔物は来なかった。
さてと、ようやっとMPが213になったぞぉー!
【
いやー、安心安心。
一応光を入れるための穴も付いているので、部屋の中が見えない訳ではない。
いやー、これでなんとか朝までは持ち堪えられる。
んじゃ、異世界来ての初めての野宿を楽むかぁー。
ま、一応地面もいじって柔らかくしたんだけどね。
うし、寝よう。
この時、外には魔物が沢山いたのだが、土でできた壁の中にいて、さらにその中で土をまとっている人間を見つける事は流石にできなかったようだ。
そして、その魔物の群れに近づく者が一人いたのだが……
そんな事に気付かずに寝るのだった。
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