10 両手持ち用の杖は尾行する


 ―翌日―


 ふわぁ〜よく寝た。


 いやー、ぐっすり眠れて完全回復!


 今日は……普通に休むか。


 いやー、それより昨日は大変だったなぁ〜。


 巨大Gにファーナさんと戦闘しかけたり……


 ……そういや私寝ちゃってた!


 でも私は生きてる……なんも……されてない?


 ふぅ〜! 良かったー! 生きてるって最高ぉー!!


 よーしじゃあ今日はじっくり休むぞぉー!


 そう思い扉を開く。


 すると……


『ガチャ』


 と隣の扉が開いた。


 おい昨日も見たってこの状況!


「あっ」「あっ」


 同じタイミングで同じ言葉を放つ。


「どっ、どうも」

 そう挨拶だけしておく。


「うふっ、どうも」

 と彼女はそう言ってニコッと笑った後、どこかへ立ち去った。


 ? いったい何があったんだ?


 ちょいと尾行してみるとしよう。


 暇だし。



 という事で尾行していると市場に出た。

 

 いやー、やはり賑わってますなぁー。


 すると彼女は普通に買い物をしていた。


 ふーむ、今の所不思議なところは何もないなぁ。


 だがここで周りがざわざわしているのに気づく。


 誰を見てざわざわしているのかはすぐに分かった。


 ルーファさんと…………私だ!


 いや、ちょ、見ないで!

 バレる! 尾行してるのバレちゃうから!


 そりゃ周りもざわざわする筈である。


 何せ〝戦闘狂〟と呼ばれている人物を監視している〝精強〟と呼ばれている人物がいるのだ。


 ざわざわしない訳がない。


 てか私何気に気配を消す魔法とかまだ習得してないなぁー。


 習得した方がいいかも。


『称号:ストーカー を獲得しました』


 ストーカーちゃうわぁぁぁぁ!!


 いやまあ確かに見方によってはストーカーだけども!


 てかそんなドストレートな称号あるんですかい!?


 まあそれはさておき、一体何を獲得したのかなぁーっと。


 ということで自分に【見る者】を使う。


《名前︰メルア・ヴォン・スフェールド


 HP︰350/350


 MP︰1000/1647(持続回復中)(上限突破中)


 AP︰1250


 DP︰150


 SP︰650


 スキル・魔法︰【完全炎パーフェクトファイアー】【地獄の業火ヘルファイアー】【完全水パーフェクトウォーター】【水龍の遊戯ウォータードラゴンゲーム】【完全風パーフェクトウィン】【風神の怒りウィンゴットアグリー】【完全土パーフェクトソイル】【サンドワームの大移動グレートマイグレーションサンドワームス】【完全回復パーフェクトヒール】【完全防御パーフェクトウォール】【完全修復パーフェクトリペア】【完全複製パーフェクトコピー】【ライト】【重力無効サイレントグラビティ】【考える者】【動く者】【見る者】【痛覚無効ノーペインセンセーション】【変質者パーバート


 称号︰『両手持ち用の杖の覇者』 『【完全パーフェクト】を極めし者』 『苦労する者』  『苦悩する者』  『把握する者』  『地獄の痛みを耐える者 』 『ストーカー』》



 ……………………………………………ん?


 もう一度見てみよう。


《名前︰メルア・ヴォン・スフェールド


 HP︰350/350


 MP︰1000/1664(持続回復中)(上限突破中)


 AP︰1250


 DP︰150


 SP︰650


 スキル・魔法︰【完全炎パーフェクトファイアー】【地獄の業火ヘルファイアー】【完全水パーフェクトウォーター】【水龍の遊戯ウォータードラゴンゲーム】【完全風パーフェクトウィン】【風神の怒りウィンゴットアグリー】【完全土パーフェクトソイル】【サンドワームの大移動グレートマイグレーションサンドワームス】【完全回復パーフェクトヒール】【完全防御パーフェクトウォール】【完全修復パーフェクトリペア】【完全複製パーフェクトコピー】【ライト】【重力無効サイレントグラビティ】【考える者】【動く者】【見る者】【痛覚無効ノーペインセンセーション】【変質者パーバート


 称号︰『両手持ち用の杖の覇者』 『【完全パーフェクト】を極めし者』 『苦労する者』  『苦悩する者』  『把握する者』  『地獄の痛みを耐える者 』 『ストーカー』》


 私ついに魔法に変質者扱いされた?


 嘘でしょ? 不名誉極まり無い魔法じゃねこれ?


 まあ、取り敢えず【変質者パーバート】使ってみるとしますか。


 そう思い、一旦人気のない所に行き、【変質者パーバート】を発動した。


 すると周りを白い煙が覆いボンッ! と音がした。


 煙が消えて視界が良くなると、直ぐに違和感に気付いた。


 なんか、視点が高い。


 あれ? 私どうなってる?


 そう思い自分の手をみる。


 その手は……


「ルーファさんの手だ……」


 え? なんでわたしルーファさんになってんの!?


 ……絶対ぜってぇお前だな? 【変質者パーバート


 多分だがこの魔法、スーキングしてる対象に変身できるんだな。


 本当に変質者じゃねぇか!


 この魔法を使ってストーカー野郎が自分の姿に興奮してる所とか想像しちまったよちくしょう!


 取り敢えず魔法の効果は分かったし戻るか。


 そう思い、戻ろうとする。


 しかし……


「あれ?」


 戻れなかった。


 ……嘘でしょ?


 事前説明無しの効果時間終了まで解除出来ない系魔法?


 えっ、ちょっ、これ私どうしたらいいの!?


「今日絶対に休めないじゃぁーん!」


 くそぉ! 休みたかったのにぃ!


 まあ今更後悔しても遅いんだけどさぁ〜。


 マジで先に言ってよぉぉー!


 と心の中で叫ぶのであった。

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