11 両手持ち用の杖は謎の女冒険者と戦う
さて、これからどうしようか。
効果時間終了までここにいるのは正直嫌だ。
一応私女の子だし、こんな所にいたらそれこそ変質者に襲われるかもしれない。
まあ襲われたら魔法でフルボッコにするんですけどね。
取り敢えず、本人に見つからないように宿に帰るとしよう。
ということで市場に戻る。
「あら?」
……はぁ〜……
なぁーんで
「貴方は……」
出た先に本人がいるんだよ!
「私のファンかしら? それともドッペルゲンガー?」
どっちでもないわぁ!
でもこの状況どーしよ!
「私はね、自分の偽物にはちょーっと嫌な思い出があるの」
あっ、やばいなこれ。
「だから……消えてね?」
そう言ってルーファさんは鞭を取り出し、こっち目掛けて放った。
やばいっ!
すぐさま【考える者】を発動し何とか避ける。
「へぇ、今のを躱すなんていい動体視力してるじゃない」
そう言って鞭の先端を綺麗にキャッチする。
「じゃあこれはどうかしら? 【
【
分かるならば対策可能!
普通に【
鞭がペチン! と顔に当たったが普通に痛くない。
いやぁ〜、【
てか市場で鞭振り回すって流石戦闘狂だな!
周りの人ビビり散らかして逃げてるわ!
「!?」
ルーファさんは明らかに驚いた顔をした。
「今……当たったわよね? ペチンって落としたわよね? なんで大丈夫なのかしら?」
へっへっへ……こっちには【
ダメージ与えられる者なら与えてみなはれ。
「じゃあ……【
……やべ、分かんねぇ。
どういう魔法だ?
そう思うと視界がぐわんぐわんしてきた。
うわーもしかしてこれ相手を酔わせる感じのスキル? なんだその微妙すぎる効果の魔法は!
そんなことを考えていると鞭がベチッと腕に当たった。
「かはっ!」
激痛が走る。
痛った! 痛い痛い!
やばい!
ちょっと今の私のHP見ておこう!
《HP:350/006》
……やぁーば!!
即【
いやまじでほんと助かりました。
ということで私完全復活!
した瞬間また鞭が体に当たった。
ぎゃぁぁぁぁ!
マジで痛いからやめて!
また【
そしてすかさず【
また鞭が来たが【
よし! 反撃の時間だぜぇー!
「貴方、中々タフじゃない」
そう言いながらもファーナさんは鞭で攻撃し続ける。
まあ効いてないんだけどね。
よし、取り敢えず【
ということで発動する。
「っ!?」
突如上に打ち上がったんだからそりゃ驚くよな。
快適なお空の旅をお楽しみ下さーい。
流石に殺しはしない。
落ちている途中で止めて効果時間が終わるまでそのままでいてもらうだけだ。
しかし、ダメだった。
「【
その瞬間、【
えっ!? なんで!?
今度はこっちが驚かされた。
まあほぼ間違いなく【
恐らく【
なんちゅー便利魔法。
【
「ふふふ、相手を宙に浮かせる魔法かしら? 残念だけど効かないわよ」
そう言ってまた鞭が襲ってくる。
まずいなー、魔法が使えない相手となると出来ることが……
『自爆杖』をコピーしまくって飛ばして復活させてまた飛ばすくらいしかない!
だがそれをやると100%この市場は消え失せる。
どうしたらいいんだよこの状況!
完全に詰んでるじゃねぇか!
「あらあら、大丈夫かしらぁー?」
ベチベチと鞭が体に当たる。
その度に【
早急にこの戦いを終わらせねば。
えぇい仕方ない! 絶対後でめんどいけど『自爆杖』解禁じゃぁ!
ということでバカスカ『自爆杖』をルーファさんめがけて放つ。
「あら、随分と荒っぽい戦い方ね」
そう言って彼女は……消えた。
「!?」
どこ行った!? 【
取り敢えず【
そして発動した瞬間
バチィィッと、背中に衝撃が走った。
「ぐあぁ!」
やべぇ、マジやべぇ。
どういう事だ? 【
まさか!?
「ふふふ、やはり貴方、魔法で防御力してたのね。発動しているのが分かりにくかったから気付くのに遅れちゃったわ」
ここでも【
やばい! 完全に詰んだ!
そう思った時……
「やめろお前ら!」
そう声が聞こえた。
……ギルド長だ。
「……まずどっちが本物だ!」
「私よ」
「うし、じゃあこの市場をめちゃくちゃにしたのはどっちだ?」
お互いを指さす。
「……はぁ〜、なあファーナ、荒らさないって出来ないのか?」
「あら、私の二つ名は〝戦闘狂〟よ? 愚問じゃなくって?」
まあ確かにそうだが……流石にやべぇな。
「まあそりゃそうだが、俺は別に戦うななんて言ってないんだ。やるなら人がいない所でやれっつってるだけだ」
「分かったよ、次からそうするわね〜」
「その言葉、もう5回も聞いてる」
いやファーナさん5回くらいこんなことしてんの!?
本当にヤバい人なのかもしれない。
「うふふふ、今度からはほんとよぉー」
「ったく、誰か! 市場を一緒に直してくれ!」
そう言ってギルド長は叫びながら何処へ行ってしまった。
因みにこの後、ファーナさんはいつの間にかいなくなっていたので、バレないように【
ギルド長にはすぐ私がやったってバレたっぽいけど、流石にその時の姿までは見抜けないだろう。
あと、【
全く、いい迷惑だ。
次からはやむを得ない時以外使わないようにしよう。
結局今日は休めなかったぁー。
まあ、明日こそ休めるだろう。
そう思いながら、布団の中で寝た。
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