第5話 〜岡崎弘子しか知らない世界〜

カチャリ

ガガーザーピピピー、ガガッ


「ふう、やっと戻った。」


「それ、かなりの年代物そうですもんねー。」


「さすが!やっぱりザキっちには分かるんだな。」


「でもこの部屋の、雰囲気良いなー!」


「デックローさんのインタビューがあると聞いたから、完全防音室にしておいたのよ。」


「ウヒョー!」


「それより本題に入りましょう。」


「ま、そうしましょうか。」


質問:あなたのアリバイはどういうものですか?


「私にも一応”アリバイ”はあります。必要かは分かりませんが。私は一度お手洗いを借りていますが、その間カメラや他の人々に聞いても分かりますがブッコローさんはずっとそこにいました。そして帰って来た後、一度も席を立っていません。ブッコローさんの犯行時間の間私はずっと座っておりました。警察の方々も了承してくれましたし、私のことはすぐ除外してくれました。」


質問:その日岡崎さんが何かおかしいと感じたものはありましたか?


「私からするとー、やはりブッコローさんの挙動が少し気になりましたねー。いつもとなくソワソワしていたような気がします。それからあのスタッフ、渡辺さんでしたっけ?ブッコローを確認する時になぜか長くかかった気がしました。二分?ほど探していた気がします。犯行に及ぶには十分な時間だと私は思いますねー。でもやっぱりブッコローさんを失ったのは、とても、ヒクッ、とても大きな損失でした。」


質問:岡崎さんは誰が真犯人だと思いますか?


「あのスタッフだと私は思います。警察にも連絡してみたのですが、相手にしてくれませんでした。私が思うに又吉さんが犯人というのはあまりにも明らかすぎると思うんです。そう、彼は誰かに嵌められたんです!」



カチャリ

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