第4話 〜又吉直樹しか知らない世界〜

カチャリ


「そこを何とか!お願いします!俺っちの為と思って!」


「。。面会時間は五分だ。」


「さすが署長っち、話がわかる!」


「後は警備員が案内する。」


「やっぱりこういう刑務所の警備員ってガタイがでかいねー。」


「ここに座れ。」


「やっと会えたね、直樹っち。」


「。。。。違うんだ」


「いやー返事してくれよ、”ブッコロー”の為だと思ってさ。」


「ああああああああ!!!!」


「あまり刺激するな。」


「分かってるよ、警備員っち。」


「じゃあ、質問に入るよ、直樹っち。」


質問:あなたのアリバイはどういうものですか?


「違う。違うんだ。ブッ、ブッコローとトイレに行って、個室に鍵がかかっていて、ブッコローがまだ生き、生きてて。ブッコロー?お、俺が殺した?違う。違うんだ。」


質問:その日又吉さんが何かおかしいと感じたものはありましたか?


「おかしい?ブッコロー、がダブル?ダブルブック!ひゃはははは!。。。違う。俺は、おか、おかしくない!」


質問:又吉さんは誰が真犯人だと思いますか?


「俺?俺じゃない?違う、悪魔だ。悪魔なんだ!!」


カチャリ


「もうそろそろ限界だね。」


「まだ時間は残っていますが。」


「いや、もう十分。でもこれだけは言える。俺っちが犯人に近づいているって事はね。」

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