第3話 〜スタッフしか知らない世界〜

カチャリ


「アー、アー。マイクチェック。」


「じゃあ、お願いします。」


「はい。ちょっと質問があるんですがー。」


「何ですか?」


「あのー、デックローさんは何でこの調査を未だに続けているんですか?」


「。。。質問をしているのは俺っちの方なのですが。」


「す、すいません!」


「ただ、あのー、報酬の方は。。ヒッ!す、すいません。」


「じゃあ自己紹介からどうぞ。」


「は、はい。僕の名前は渡辺哲三です。有隣堂のスタッフを昔勤めておりました。ええ。はい。僕は確かにブッコローさんがお亡くなりになられた頃はまだ勤めておりました。ブッコローさんはとても面白い方でした。彼は特に語呂合わせが好きだった記憶がありますね。」


質問:あなたのアリバイはどういうものですか?


「うーん。。あの日僕は朝早くからブッコローさんと収録の準備をしているのは他のスタッフが証言してくれるよ。犯行が起きた時僕はカメラで撮影をしていたから超能力でも持ってなければ殺鳥なんて無理ですよ。確かに僕がブッコローさんを確認しに行きましたが、悲鳴を聞いて他の人が集まったのはほんの数十秒ですよ。警察にも僕の犯行は無理だと言われましたし。。」


質問:その日渡辺さんが何かおかしいと感じたものはありましたか?


「結構ありますよ。まず第一にブッコローさんのテンションが何か違う感じがしましたね。彼、収録前などはよく愚痴っているんですがその時だけ何故か乗り気に見えたんですよね。ライブ配信を楽しみにしていたっちゃー、していたんですけど。。。え?私情は挟むな、って?いやあんたが聞いてき。。すいません。はい。

ただこっちは確実に私情ではなくて事実です。その日岡崎さんが何かスタジオに持って来ていたんですよ。確か、昔の収録でも一度テーマにした。。。何だったかな?いやー五年前のことだから記憶もだんだん薄れて来ちゃうんですよ。いやいや、ブッコローさんへの気持ちは絶対薄れていないですよ!」


質問:渡辺さんは誰が真犯人だと思いますか?


「絶対に又吉さんだと思っています。聡明な人だと思っていたのになー。人は見かけによりませんね。なぜかって?理由は簡単ですよ!あの人が一番怪しいからじゃないですか!あの人とブッコローさんがトイレに行って、次に見られた時には死んでいるんすよ、ブッコローさん!しかも五分は又吉さんもお手洗いにいたし犯行に及ぶには十分な時間じゃないですか!

それから、あのドアノブの指紋!あれが決定的ですね。ブッコローをあんな場所で殺鳥した理由?。。。何か恨みでもあったんじゃないすか。」


カチャリ


「これでインタビューは終わりですよね。。。いやいや、こんな僕の意見を聞いてもらえて光栄です。」


「それでー、あのー、報酬の方はー?え?事件を真の意味で解決できたら払う?いや別に事件が解決できない、とは言ってないんですが。ねえ。あっ!ちょっと!待ってください!」

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