1話 檻を開くは雨の濁流
この施設を管理するシステムがダウンしてしまった
あたしを閉じ込める檻は開かないまま、廊下の光りは非常用の物になるので薄暗い
暗い中、監禁状態にあると言うのは非常に
心細い。
気分転換に少し"観て"みよう
少し離れた所にある管理室は騒々しく、
「なぜ雨が中に降っている」や「排水はまだか」
など怒声が飛び交っている
あり得ない事に混乱するのもわかるが
"そんなモノ"利用しているのだからもう少し落ち着きを持って欲しい。
それはそうと、雨が室内に降るなど思い当たるのは彼女ぐらいしかいない、
しばらく前の長期任務で組んだ
青い目と黒の綺麗な髪が印象に残る少女。
隠密行動を仕込まれた私たちの同類
夢みがちでリアリストで優しいあの子
1を冠する蠱毒の勝者
もしかしたら迎えに来てくれるのかな?
覚えているはずも無いだろう昔の一言に希望を見るのもあの子のせいだ
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