閑話16牛乳だいちゅきー 続々★

 光がぶわっと溢れかえって教会内を満たしていく。

 すると今度はアルの目の前に光が集束していくように、うっとちいさくなっていくのだ。

 気付いた時にはそこに別の男神が居た。

 元いた男神が短髪で真面目そうな片眼鏡をかけた青年だとすると、新しくやってきた男神は、長髪を一つ括りにしたきりりとした顔で神の威厳を漂わせる、ザ・神であると言った様子。

 別に元から居た男神がそう言った風でなかったことで、アルは元から神だと思わなかったわけではないのだ。

 ただ一般人ポイと思っていたわけでもなく、死神の類だと思っていただけなのだ。


 閑話休題


 新しく来た男神がアルの方に手を伸ばして指を一度慣らして見せた。

 するとアルは背中に何か伸びるような感触がしたと言うのだ。


「本当か、アル?」


「ええ、ノール父様。そんな感じがしました」


 でもなぜ来たばかりで……?

 何故と思っていれば、簡単な事だと言う。

 長髪の男神が言うには、君をずっと見ていたと言うのだ。


『私はライゼンリッヒ様の使いである。この世界の大神であるかの方よりお言葉がある。君をずっと見てきた、だから知っている。いつも供物を有難うと』


「えええええ!?」


『あーあーあー、もおおおお、私が窓口だとなりましたので、そんな沢山来たらって、』


 またも光がほとばしり、教会内に一柱、二柱と下りて来る。

 するとアルに皆揃って言うのだ。


『今まで色々と有難うね。だから今回はお礼しようと思って』


『そうだぞ、俺等の加護だ。受け取るといい』


『さあ、いっくよおー!受けとりなさい!』


「えええっ」


 眩しいと目を閉じていると、アルの胸に飛び込むように、七色の光の玉が飛び込んできた。

 七柱の加護である。

 ありがとうと言いたくても喉がからからになってしまい、更には眩しくて目が開けられないでいる間、きていた神たちは、じゃあねと戻っていってしまうのだった。


『はあ、では私も戻りますが、チェスも欲しいんですがいいですか?』


 と言う。

 ようやく目が開けられるようになったアルは、咳ばらいをして、からからになった声で男神に言うのだった。


「チェスとか全部入ってるボードゲームの豪華版あるんですけど、今度やり方書いてくるので、それからでいいですか?」



*****



 それからアルはステータスをチェックしてみた。


体力:  100

魔力:  36,630

素早さ: 22

攻撃力: 25

防御力: 51

器用さ: 175


属性:光 闇

称号:転生者

******

加護:センリュールの加護(夜に強くなる)

   日の神の加護(日中強くなる)

   成長の加護(成長率に補正がかかる)

   緑の加護(農業などに補正がかかる)

   手先の器用さの加護(工作や錬金に補正がかかる)

   錬金の加護(錬金成功率に補正がかかる)

   聖域の加護(聖域内に神の息吹が入るようになる)

   自由貿易の加護(自由度が増す)

******


ユニークスキル 聖域 自由貿易

スキル 工作 錬金 農業


 途中までは分かった、意味が分かったからである。

 だが自由貿易の自由度が増すって何だ?

 聖域内に神の息吹って何だ?

 まだ居てくれた片眼鏡の男神に聞いてみると、自由貿易は海外の物を購入するのにこれは駄目と言うものが一部あったが、それも全て無くなり自由度が増したと言うのである。

 近代兵器まで買えちゃうのかよ。

 受注制限あって良かったと思ったよそこは。


 しかも神の息吹と言うのは、彼らが好きに聖域内に下りて来れるようにするのだという。

 それは明らかに神側の楽しみのためのように思うから、何とも言えなかった。


『兎も角これで泣いていた件は解決しましたよね? もう大丈夫ですか?』


「いやもう、驚きすぎてそう言うの吹っ飛びました」


 悪いけど何もかも最後のやつでふっ飛ばされて今何にも考えられませんと言ったら、男神は笑って神界にもどっていくのであった。


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