第2話そう言えば姉がいるんでした 改
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にしても――まだ姉としてあったこともほとんどない少女だが、まさかの逆恨みのようにしてこちらに攻撃をしてくるとは思わなかった。
男爵家に行く前も相当にごねていた。
実は、「もっと豪華な家じゃないと許さないんだから」と言っていたのだが、彼女は元からそう言う性根のイキモノなのだと思うことにした。
元から平民何だからさ、と言いながら実際は豪華なものを求め続けているのだからおかしな考え方をするものだといえる。
「お義父様、父様。私は自分に今足りないものが分かりました。身体強化魔法という、自分に守る術がないことです。どうか私に魔法訓練の師をお付けください」
「………時間がないだろう君には。あれだけ忙しくしているのだから、もう少し余暇を楽しませたかったんだがね」
正直余暇なんてものは今必要ないだろう。
急いでトゥエリ対策をしなければ、いつか殺されてしまうと思うのだ――彼女に。
だから危険性が去るまでは、己を鍛えた方がいいと思う。
最後のあのトゥエリの顔は、殺したいとアルに言っているように見えた。
御前ばかりずるい、お前ばかりおかしい、お前が何でそこに残るんだ、そう見えたのだ。
勝手な憶測かもしれないけれどそう思ったのだ。
だから魔法を使いたいとお願いすると、まだ5つだと言うのにと、義父もノールも不安げだ。
トゥエリは最初から能力を使いこなせず危険だったから魔法訓練をしていたけれど、その成長は凄まじく――今は大人程の重さを持ち上げられるようになった身体強化魔法を使えるのだとか。
そこまで出来るようになっているとなると、こちらも迎え撃つ必要があるだろうから、使えるようになりたいと言えば、最早否定の言葉は帰ってこなかった。
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