第10話善行ポイントってなんぞ?★ 改
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善行ポイントを沢山稼がせて貰ったのだからと、家畜をサービスすることにした。
井戸はまだ一つで良いらしいので、一旦戻って連れてきたと見せかける等して、何とか怪しまれず?豚を3頭、牛を3頭連れてきた。
鶏は何故か見当たらなかったので、卵はなしだ。
ということで、食材は自由貿易からということにするか。
全てこの聖域の村の中で完結できるようになるまでは、お手伝いさせていただきましょう。
「私の事は村長と呼んでください。この村の管理を任されています」
ということにして、彼らをここで善行ポイントのために居て貰うようにした。
するとこれがまた面白いように善行ポイントが貯まるのだ。
どうやらここで暮らせることでかなり感謝しているようで、奴隷解放もいいことだったらしい。
伯爵とやってきては、そうらしいと頷き合っていれば、違いますと男から注釈が入った。
「なに?え、違うの?」
『彼らがあなた達に感謝しているからそうなっているんです。ですから感謝している事も必要ではありますけれど、それだけじゃなくてですね――元からこの聖域で暮らす方方が神に祈りを捧げることが大切なんです。ここは神から与えられた土地ですから』
分かります?
素晴らしいスキルなんですよと言われて、青ざめた。
神様から与えられた土地って、何その選ばれしもの的なの。
そう言えば転生の時に、言っていたっけ。
善行を積んだから貰えるのだと。
では善行を積んだからこそ訪れた幸運だったのだから、もっと頑張るべきだろうと、流石に気を引き締めた。
そんな場所だったのに何て適当にやってきていたんだろうと思ったものだ。
兎も角頑張ろう、今からでも遅くはないと、拳を小さくきゅっと力を込めて握りしめた。
労働をまだ知らない小さな手のひらは小さく丸まっている。
「も、もっと頑張って聖域スキルを使いこなします」
『そうしてください』
「ちょっと待ってくれ、ではこれは神の地なのか?だったら、奴隷を住まわせて怒られないのか?奴隷は怠惰であるからそうなったという教えがある。だからこそ忌避される民なのだ」
ノールと伯爵に付き人としてついてきていた男――ヨハネスが言う。
「彼らは奴隷解放されていますから、問題ではないはずです。そうでしょう?」
「いいえ!元奴隷は元奴隷として変わらないとされる。そのため墨を入れるのです!」
「――確かにそうではあるが、それは人の法。神の法ではないのかもしれない。どうなのですかな?」
『そうですね、神は人に法を作りませんでした。好きに、自由に暮らしなさい。それが神のご意思です』
「そう、なのですか?」
ヨハネスが考え込んでいるのを受けて、どうしたものか迷ったけれど、アルは金鉱山の村に飛んだ。
伯爵もヨハネスも、そしていつもの如くノールもついてきた。
それに今回は子爵もくっついてきたのがあまり要らないなあと思ったけれどまあいいだろう。
「ああそうだ、神から貰ったモノならば、ここで得られる家畜を先日プレゼントしたんだけれど、あれを殺して食ったらどうなるんですか?ねえ、どうなるのでしょうか?」
『勿論駄目ですよ。ただ、彼らは毎日家畜の世話をしますよね?すると肉が毎日のように自宅に届きます。それを食べればいいのですよ』
「………つまり、あの家畜を食べてたらアウト……急ごう!!」
「そうだな!行こう!」
常であれば貴族たるもの優雅にあれと、ゆっくりどんな時でもゆっくりと見えるように歩きなさいと注意を受けるが、今回ばかりは皆早歩きだ。
ほとんど走っていると言ってもいいだろう。
「おや、如何されましたか。村長と、伯爵、ノール様」
「はぁ、はぁ、はぁ、………ええと!家畜、まだ食べてないですよね?」
「え?ああ、それが、今朝起きたら家畜を食べるも何も、肉が自宅に届いたんです。誰がやってくれたのか分からないけれど、家畜が減ってるわけでも無いし、何でかなって。村長ですか?」
「え?ああ、うん!そうなのですよ!だから家畜は可愛がると私の方でいつも肉を持ってくるから、家畜は食べちゃいけないんだって、ええとええと………」
『もう諦めて私を紹介してください』
「ああ……うん、そうしましょうね……」
結局男が説明をしてくれて、事なきを経たのだった。
とりあえず男の上手()な話しにより、アルは神の御使いということにされてしまった。
まあそれでうまく話しが進むならいいのだけれど、お陰でそこはかとなくやりにくくなった気がする。
まあいいだろう、兎も角家畜を追加してあげようと思ったんだと、透明な画面をタップする。
≪金鉱山の村≫
:井戸作成 善行50
:家畜・豚 善行70
:家畜・牛 善行90
:家屋作成 善行100
:家畜小屋 善行100
:new家畜・鶏 善行100
:new家畜・豚(メス)善行150
:new家畜・牛(メス)善行170
:new家畜・鶏(メス)善行200
「あ………あれ?これって」
メスってなんだ、メスって雄雌のメス?
だったら今まで飼ってたのはオスだけか。
あー……鶏も出てるし、新しく出たんだあ………って、なぜ昨日まで出ていなかったんだこれ。
新しくこれって追加どんどんされていくのか?
「どういうこと?何で昨日まで無かったものが増えてるのかなって思うんですけど?今度から妖精の園とかも増えるんですか?」
『増えますよ、ここは成長型のスキルですから、ポイントを吸わせて何かしらを獲得されますと、一気に成長していきます』
つまりは、家畜を数頭買ったのやら、家屋や家畜小屋を殖やした結果かと納得した。
兎も角今日やることをやってしまおうと、畑にやってきた。
自由貿易は見せない方がいいだろうと思ったため、あちらに戻って自由貿易で購入したものを持ってきたのである。
山ほど買ってきた種を、植えるのだ。
真っ黒な土に如雨露が欲しいと思い、注文すれば、鉄板で作った如雨露が出てきた。
お金が貯まる一方であったし、ついでだからとばかりに一気にお金を使ったのである。
――といっても大金貨1枚も使わなかったのだが。
大金貨って数千万位の価値があるから、よく考えると使うの大変なんだよねえ。
50枚もそれを持っているのだから困りものである。
種をまいて、元奴隷だった者達と共に如雨露で水を撒く。
そして本日分の食料を渡して終わりである。
そして子爵待望の、アイテムを購入の巻である。
≪妖精の園≫
:妖精からの親愛 魔力500
:妖精の友人 魔力500
:妖精の泉 魔力9000
:妖精の洞 魔力7000
:妖精王 魔力50000
:妖精姫 魔力45000
≪妖精のショップ≫
:妖精の反物 善行3000 魅了効果
:妖精の花輪 善行1500 全回復
:妖精の指輪 善行1500 毒無効
:妖精の泉の水 善行300 毒消し
子爵が妖精のショップと、他のショップも見たいと告げるので、全てのショップを並べてみた。
≪金鉱山≫
:トロッコ 魔力1000
:金脈 魔力100000
:村 魔力15000
≪金鉱山の村≫
:井戸作成 善行50
:家畜・豚 善行70
:家畜・牛 善行90
:家屋作成 善行100
:家畜小屋 善行100
:家畜・鶏 善行100
:家畜・豚(メス) 善行150
:家畜・牛(メス) 善行170
:家畜・鶏(メス) 善行200
≪金鉱山のショップ≫
:腕時計 善行5000 時間を10分戻す
:腕輪 善行7000 毒無効
:ネックレス 善行8000 変わらない美貌
:ブローチ 善行10000 突撃する勇気
:ティアラ 善行50000 若さを取り戻す
:王冠 善行70000 冷静な意思
≪薬草園≫
:キュリィの群生地 魔力5000 回復薬の元
:サリュの群生地 魔力5000 回復薬の元
:ナリサの群生地 魔力8000 回復薬の元・毒消しの元
:レナントの群生地 魔力9000 秘薬の元
:エリヒューラの群生地 魔力11000 麻痺消しの元
:エルルーの群生地 魔力15000 毒消しの元・万能薬の元
:リーファの群生地 魔力25000 万能薬の元・秘薬の元
≪薬草園のショップ≫
:薬の瓶 魔力10
:薬師の混ぜ棒 魔力100
:薬師の鍋 魔力10000
:薬師の薬研 魔力10000
「ショップはこれだけですか・・・ではこの妖精の園の1500善行ポイントのものと、金鉱山の腕輪が7000善行ポイントのモノ、どう違うんですか?」
『ああ、それですか。 妖精の園のものは一回使えば消滅するものです。ですが何度も使えるのは金鉱山のモノです。 ですから食事に毒物が混ぜられているのが恐ろしいということでしたら、金鉱山のものを持っていかれるのが一番宜しいかと存じます。それとも戦いに出向いて毒矢が危険だとお守り替わりならば妖精の園のモノで十分でしょう』
「分かりました。では毒消しを3つと、腕輪を1つ欲しいですね。公爵閣下と伯爵閣下より、王に献上いたします」
「待ってください。そもそも善行ポイントで稼いだ分を自然に自分で手に入れられるものだと思われてるのが癪なのですけれど!」
そもそもそれはこのスキルを保持している者のモノであるわけだし、それでなくとも大して善行ポイントを貯めるのに頑張ってくれなかったのだから、渡したくはなかったのだ。
すると子爵はと言っていますが、どうされますかと知れっと伯爵にお前の息子だ如何にかしろと言っていた。
「だが、アルの言っていることはもっともだよ。そもそも善行ポイントは元奴隷の彼らが居てくれて稼ぎ出したものだ。元ではあるがお金を支払ったことから考えてみても、奴隷は全てアルの持ち物でもあるからね。アルも頑張って稼いでいるし、その分大量に金貨を積んでここまできた。それを横からかっさらうのはいかがなものかな?」
「左様ですか。では大金貨を支払うと公爵閣下は申しておられましたよ。それで十分では?」
「い、言い出さなかったらお金も出さなかったでしょう!?ひどすぎます!」
「おや?良くお判りで」
さあ、出すものを出して貰いましょうかと言うとアルは口惜しいと言った様子で絞り出すように言うのだ。
「じゃあ、大金貨2枚でと言ったら?」
「いいでしょう。閣下より大金貨三枚を預かってきておりますから」
しれっと言われるので何とも言いきれない気持ちになる。
むしろもっと取れたのかと思うが、あまりにも多く請求し過ぎると後が怖いとも思うのだ。
兎も角、ここら辺が潮時だろうと言うことで、アルは目的のモノを手に入れ、そして子爵に手渡した。
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