第7話善行ポイントってなんぞ? 改
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「――その緑の頭髪をしたものは、外してください」
「女のひとでもいいよ、力仕事じゃないからね」
「そうなのか?じゃあ、……じゃあそちらの鳶色をした目の女性を前へお願いしたい。どうだアル?」
「うんと……いいんじゃないでしょうか?」
「わ、私を買って下さるおつもりですか?」
「まだ決めかねてる。今日買うつもりの奴隷は大金貨5枚分だよ――」
だからそんなに無理かもと言おうとすると――
「だったら、私を買ってください!お願いします!精いっぱい働きます!」
「私を買ってください!」
「お、おr……私を買ってください!」
次々と声を上げる奴隷たちに、落ち着いてくださいと言うが、皆奴隷商でいるよりか、ノールが選定をして、アルがお買い上げする伯爵邸で暮らす事を望むようだった。
でも別に、伯爵邸で暮らして貰うわけじゃないんだけどね……
誰もそんなことは言っていないのだが、どうやら勘違いをしている様子。
結局一人金貨10枚前後――大金貨が3枚必要だったわけだが、11名程の穏やかな人を買ってみた。
ノールが付いてきてくれたので、鑑定を使って貰ったのだ。
これを人に使ってみると犯罪歴などの来歴が分かるらしいと言うことでやって見せて貰ったが、何て便利な能力何だろう!!
お陰で犯罪歴の無いまっさらな人で、こちらに恩を感じている人を沢山買うことが出来た。
羨ましいと羨望のまなざしを向けてみるとノールがどうかしたのかという。
そのため、アルはその能力は凄い凄い、神様からの賜りものだよと褒め称えれば照れくさそうにノールははにかんだ。
20代後半の男のはにかみ顔って誰得なんだろう。
まあいいだろう。
ノールは実父である。
リスペクト大事。
手枷を外され、恭順を示されるも、きっと奴隷たちは心のどこかで反発心があるだろうとは思う。
そんなものは当然だ。
だがこの11名に限って言えばそれはないと言う。
皆良く働いてくれるはずだと言われ、嬉しくなった。
良かった、ならこれでうまくいくはずだ――そう思った。
「父さま、お義父様、ここでスキルを使うのは良くありませんよね?自宅までどうやって彼らを連れ帰ればいいでしょうか?」
「そのまま歩かせるしかあるまい」
何と!?
「箱馬車を持ってきていただいていましたが、あれを奴隷用としていましたよね?」
「ああ、だがこの人数では乗れまい」
「じゃあ!」
箱馬車に乗って貰った数名を、そのまま聖域の村に連れて行くを三度繰り返し全員を連れて行った。
これからも奴隷商での買取をする気があるなら、帰りをよく考えないといけないな。
「じゃあ私が戻るまでの間、井戸水を沸かしてお風呂が入れるようにしましょう、家屋内に風呂があるようです。そこに湯を沸かしてください。でも大丈夫です。大衆浴場をここに設置出来るまでになりますからね」
そう言われると皆頷いて見せた。
ただし、一体ここはどこなんですかと挙動不審気味であることは否めなかったが。
それもまた当然なのは当然だが、慣れて貰うよりほかない。
ポンプから井戸水を組んで見せると皆きょとんとしていて、どうしたものか分からない様子だが、父二人に連れられて買いに行ったけれど、オーナーは私だ。
お判りか?
「もも、勿論です!」
「喜んで仕えさせていただきます!」
といった風に皆聞き分けが大変良かった。
満足です!
*****
≪奴隷視点≫
私は実家が借金苦に奴隷にされた借金奴隷だ。
けれど大きくなる前に売られたため、安く買いたたかれたのだと後から知った。
両親と兄弟はどうしているだろうか?
大丈夫かなあ。
私を買ってくださった方は、御年5歳という、年少の方だ。
この方にこれより仕えるのだぞと言われても、大丈夫かなと思ってしまう。
けれど伯爵家の跡取りということで、仕える先は悪くはないように思えた。
――はず、だった。
けれど奴隷用の箱馬車に連れて行かれてそこで見た光景を私は一生忘れないだろう。
木造の家屋がそこにはあり、正直に言おう、巨大だったのだ。
何処かのお屋敷みたいな綺麗な家で、それは腰壁があったり、椅子も上等なお貴族様が使うようなものだったりして、大変なところに連れて行かれたのだ。
アル様と言った――彼は言うのだ。
「ここで好きに暮らして貰えればいいだけだよ」
そんなことを言われて、お風呂を入れるには水はここから汲んでねと言われるので、あっけに取られて皆ぽかんとしていたっけ。
「な、何か働かせてください!そもそもそんなのは買って貰ったのにおかしいでしょう!」
「そうですよ、何か働かせてください!」
皆上手い話には何かあると思い、そう言ってみると、ここでじゃあ珍しいものを集めたりしてみてね、というのだ。
たった、それだけで、いい?
嘘だろうと思ったけれど彼はそれ以上何も言わなかった。
伯爵とその義弟と言われる男も居たが、彼らは何も言わない。
「よっし、早速貯まったから、作るよ!家は足りてる?」
「は、はい……あ、ですがベッドの数が足りないそうです」
立派な家屋の数は5つ、一つの家屋にあるのはベッドが2つだった。
だから足りないと言えば足りないと言うと、しっかり働いて欲しいからベッドを足そうと言うのだ。
気が付けば、立派な家屋が6つになっていた。
「ひええええ………ななな、何なんですうううう!?」
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