第4話善行ポイントってなんぞ?★ 改

 金鉱山とは一体何ぞやと、公爵に頭を掴まれ話を――いいや、事情聴取されているような感じである。

 とても頭痛がする、何で頭を掴んだまま話をするの。

 頭痛い。

 ほんと痛い。


≪現在の魔力奉納にて開かれる聖域≫

薬草園  魔力5000

妖精の園 魔力5000

金鉱山  魔力10000

銀鉱山  魔力10000

鉱山   魔力10000


「こちらです、ここにある通り、魔力を捧げると出来るんですぅうう」


「今すぐ必要だ!この国に!」


「わか、分かりましたけど待ってください!ま、魔力を奉納しないといけないんですうぅうう」


「じゃあ早くしろ!」


 ぺいっと放り投げられたアルは、頭を抱えてころんと花畑に転がりこんだ。

 痛いなんてもんじゃない、しかも笑ってやるなんて、とんだサディストだ!

 くそぅううと呻きながら、跪くと、アルは大神に向かって言葉を唱えた。


「大神さま、大地と空を司る大神よ。我、魔力を奉納し、寄進するものである」


『10000程魔力を寄進されましたのが確認できました』


「では金鉱山を開きたいです」


 フォンといつもの電子音に近い音がすると、画面上で金鉱山が開通したと言われる。

 行ってみるかとアルは画面を開いて金鉱山に移動して見た。

 皆を連れて行くのは後でいいかと思っていたら、またも頭を掴まれてしまい転移である。

 解せぬ。



*****



『こちらの金鉱山が開きましたので、トロッコを運転させてください。すると金塊が数時間後には取れます』


「へえー」


 自動でトロッコが金塊を乗せてくれるらしい、何て楽なんだとアルは考えた。

 そもそもが手元にアルはお金がない。

 お小遣いとして今まで稼いだ大金貨50枚は全て伯爵の元に預けてあるのだ。

 そのためこうした形で金塊が手に入るのは嬉しかった。

  けれど――


「国の為にそれを捧げるよなあ?大金貨も金貨も小金貨も、全て足らないんだよ。誰かさんは貯める一方だからな。なおの事だ」


「へえー」


「馬鹿者、御前のことだ」


「はいぃ……」


 ごちんと頭を殴りつけられ、心底公爵が嫌いになった。

 既にかなり苦手な部類になるのにこれだ。

 大人と子供の腕力では大きく違うといのに、たまったものではない。


 痛みを発する頭を撫でさすりながら、アルはここで開けるものは有りますか?と訊ねた。


『御座いますよ、画面をタップしてみてください』


≪金鉱山≫

:トロッコ 魔力1000

:金脈   魔力100000

:村    魔力15000


≪金鉱山のショップ≫

:腕時計   善行5000  時間を10分戻す

:腕輪    善行7000  毒無効

:ネックレス 善行8000  変わらない美貌

:ブローチ  善行10000 突撃する勇気

:ティアラ  善行50000 若さを取り戻す

:王冠    善行70000 冷静な意思


 村!

 村が出来たら私はここに引きこもるぞ!と思っていれば、こちらの生活をどうにかする方が先だという。

 何で私の考えてることが分かるんだとアルは考えたが、顔を見れば丸わかりだという。

 これらの数字を見せた瞬間、トロッコを増やせ三つ四つと言われたけれど、今は即座に必要がないだろうと言い、そもそも現時点でたったの数時間で金塊が届くようになるのだからと言って取り合わなかった。

 だから村を創りたいと言って私は一切取り合わなかったのだ。


 うん、私少し強く言い返せるようになってきたぞ!


 それには二日あればできると思っているのだ。

 だって一日に魔力が10000ずつ貯めるなら、直ぐにも出来るであろう。


 ただ、魔力を全て使うと倒れてしまう、危険だと言われたのでこれ以上魔力を込めるのは出来ないのだけれど、こっそりと寝る前に全て捧げてみるかとアルは思い立った。


「よーし、いっくぞー」


 倒れるのは分かり切ったことだけれど、いざそうなると分かっていてやるのはとても怖かった。


 ステータスの数字を見乍らやってみる。


ステータス

体力 :50

魔力 :15000

素早さ:22

攻撃力:25

防御力:51

器用さ:175


属性 光 闇

称号:転生者

****

ユニークスキル 聖域 自由貿易

スキル     工作 錬金 農業


 全て捧げて倒れるように寝てしまうと、翌日わずかに魔力が上がっていた。



ステータス

体力 :50

魔力 :15030

素早さ:22

攻撃力:25

防御力:51

器用さ:175


属性 光 闇

称号:転生者

****

ユニークスキル 聖域 自由貿易

スキル     工作 錬金 農業


 30も上がるならと思って毎日のようにこれを繰り返し、アルは魔力をちまちまと増やしていくのだった。

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