【1日目】



トラックの荷台に詰められ、動かなくなった他の仲間たちと共に鉄の墓地に廃棄されたのは何日前の事だったろうか。燃料さえあれば人間のように食事など取らなくても動き続けることのできるアンドロイドであるぼくは、その墓地の中でさえまだ稼働は止まっていなかった。意識はある。だけど、動けない。四肢の関節がボロボロに朽ちているからだ。修理すればまだまだ動けるはずだけど、ぼくの主はぼくを放置した。そして、新しいアンドロイドを買い、ぼくはそのまま捨てられたのだ。

だけど、ぼくはまだ生きている。視界は良好、きっと話しかけられれば応えることだってできる。ロボットは独り言なんて吐かないから、ずっと口を噤んでいるけど。

このまま燃料切れまで横たわって、眠るように駆動を止めて、そのまま朽ちるのか。そう諦めていた頃、ぼくは出会った。



「…………珍しいな、まだ生きてるやついんじゃねぇか」



関節がやられブラブラ揺れるだけのぼくの腕を掴みあげて、ぼくの目の前に顔を近付けると、その人間は笑った。

「よぅ、鉄の墓地にようこそ」



それが、彼……フーリーとの出会いだった。





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