異変
病院を出ると外は酷い有様だった
建物は崩壊し、家屋も残っていれば良いが見る限り半壊か全壊していた
重吾「親父…家残ってんの?」
快兎「一部壊れてるが何とか住める…と思うぞ」
重吾「何で曖昧なんだよ」
そんな風に笑っていると急に空が陰る
空を見上げるとそこにはファンタジーでしか出ないような西洋竜が飛んでいた
重吾「ねぇ…あれって幻覚?」
快兎「逃げるぞ…今すぐに!」
重吾「だよなぁ!」
そう言いながら竜に気付いた人々は一斉に逃げ出すが、そんな事はお構いなしに病院の前へと降り立つ
重吾「退院したばっかりなのに何だよ!」
快兎「隙を見て逃げるぞ、いざとなったら俺のことは置いておいて良いからな」
目の前では竜が今まさに人へと襲い掛かろうとしていたが、警備を担当していたのであろう警備員が拳銃を発砲する事で防いでいた。
重吾「こんなの逃げられるのか?」
快兎「世界変革の後、そんなファンタジーでしか出て来ないようなバケモノが増えて来たんだ、西洋龍だけじゃなく東洋龍なんかも見られたらしい。もちろんゴブリンとかスライムもな」
重吾「何でもありだな」
快兎「今はこの状況から逃げることだけ考えるんだ、警官が足止めしているうちに」
重吾「親父、走れるか?」
快兎「もちろんだ」
重吾「なら拳銃に怯んだ瞬間に猛ダッシュだな」
快兎「それが良さそうだ」
身を潜めながらその機会を伺っていると竜は拳銃で自身の身が傷つけられない事を学習したのか怯まなくなった、それどころか近くの人々に遅いかかる体勢をとった
重吾「まずい!『止まれ!』」
そんな声がこの場に響く
今にも牙が女性に触れるかと思った瞬間、竜は平伏すようにその場で静止していた。それも恨めしそうにこちらを見ながら
重吾「いや、こっち睨まないでくれる?俺何もしてないよね?」
快兎「何してるんだ!今のうちに逃げるぞ!」
重吾「あ、あぁそうだね」
そうして無事に家へ帰り着いたのだった
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