【上宮ちさと視点】彼との帰り道

ふう・・・今日も澤本くんを見ているが彼は眠そうにウトウトしている。あれ?彼すっごいかわいい。なにか記録に残さないと・・・ノートでいいか。あら〜澤本くんって意外とまつ毛長いね!これは女子に嫉妬されそうだね。でも嫉妬していいのは私だけだけどね〜えへへ〜


今先生の解説は終わり問題が出された。このくらいはまあ簡単だ。一応頭はいいほうだと思う。澤本くんはちょっとわからなそうに小首をかしげている。そんなタイミングで澤本くんは前に出て答えることになってしまった。彼は困りながらも席を立つ。その後私の方をちらっと見てくる。ノートを澤本くんに見えるように見せた。彼は私に対して笑顔で頭を下げていた。


やっぱり彼には私がいないとね・・・!ふふふ・・・!


今日も澤本くんの観察を終えてホクホクしている。あれ?澤本くんはどこに行ったのかな?探さなきゃ(使命)


まずは澤本くんの席に座って考えよう。澤本くんのぬくもりを感じた。ぐへへ〜いいねえ、澤本くんの座っていたあとの椅子は!さてと少し堪能してから探しますか。


やっば、堪能しすぎた。1時間経ってた。もう帰ってるかも・・・それでも私は澤本くんを探してデ、デートをするんだ!私の澤本くん探知機には図書館の方から反応が強く出ていた。待っててね澤本くん!


澤本くんは課題をやっていた。私は彼を驚かそうと後ろからこっそりと近づいた。彼は驚いて大きな声が出てしまった。流石にここで大きな声を出すのはだめだから注意したよ。私のせい?なんのことやら。


澤本くんは帰る支度をして図書館から出ていこうとしていたけど私は呼び止めた。


「なんで先に行っちゃうの?」


「え?なんで?」


「・・・待ってたのに」


こうすることで澤本くんは罪悪感を湧き私と一緒に帰りたくなると思う。計画どおり!そんなわけで見事に澤本くんはハマってくれたので一緒に帰ることになった。デートですねこれはもう。


澤本くんはなにか話題を出そうと考えている。


「そういえば上宮さんは部活入らないの?」


「・・・うん」


部活か〜、たしかに学校で部活に入っている人は多いが私は入っていない。なぜかって?それはもちろんいつでも澤本くんを観察できるようにするためだよ!あとめんどくさい、入りたい部活もない。


澤本くんは部活に入らなかったのはなんでなんだろう?・・・!もしかして、私と一緒に帰りたかったから!?


「・・・澤本くんはなんで部活に入らなかったの?」


「俺?俺は入りたかった部活もなかったし早く家に帰りたかったからかな」


「・・・そうなんだ」


「もし部活を作るとしたら何を作る?」


何を作るか、そう言われたら一つしかない。澤本くん観察部だね!!澤本くんの行動パターンをチェックし、その次に行う行動を予想するのだ。これが澤本くん観察の醍醐味だ。


「特に思い浮かばない」


「そっか、って言っても俺も特には思いつかないけどね」


そう彼は笑った。この時間が楽しい、ずっとこうしていたいとも思った。でも、私は彼のことをなんでも知っている。観察してるからね!


「澤本くんは好きな人いる・・・?」


あーー!!聞いちゃったー!これでいないって言われたら私のことを意識してないってことになっちゃう!あ、でもいるって言われてもちょっともやっとする・・・


「・・・一応いるよ」


澤本くんは顔をそらしてそういった。これってもしかして聞かれて恥ずかしかったのかな?私だってそう聞かれたら恥ずかしくて顔が赤くなっちゃうかもーー!!!


「大丈夫・・・?」


「あ、ああ、大丈夫。ちょっと夕日が綺麗だなーって思って」


「・・・私とどっちがきれいなの?」


「え?なに?なんか言った?」


澤本くんは難聴なのかもしれない・・・


あ と が き

作者です。前に書いたのがキャラ崩壊がすごかったので今回は抑えています。ちょっと変かもしれませんが気にせずに読み勧めてくれると嬉しいです。

よろしければ応援や☆もお待ちしています。

作者

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