【上宮ちさと視点】彼は観察対象

最近視線を感じる。いつものことだけど・・・確かに私が容姿が優れているのは理解している。・・・!もしかして、ストーカーってやつ!?え、怖。本当にストーカーかも・・・?どうしよ、怖くなってきちゃった。


私は後ろを見てもただ夕日が見えるだけ。いつもの道だ。だけど電柱の方から影が伸びている。ゾッとした、逃げたい怖いと。そう思い速歩きをする。後ろから男性の息の音が聞こえる。本当にストーカーだった!もうこれはやばい・・・!


「ねえ、そこの君」


「・・・」


話しかけてきた。だけど無視をした。でもそれが良くなかったのだろう。


「聞こえてんでしょ?そんなに怖がらないでよ〜?」


少しイライラしているように聞こえた。まずいかも・・・!


「警察呼びますよ!?」


「はは、警察〜?すぐにここに来れると思ってるのかな〜?可愛い見た目してて考える能力は低いんだね!でもそこがかわいいね!」


「・・・!」


なんなんだこいつ!明らかにストーカーでもあり変態でもある!しかも煽ってきやがる。確かにこの変態の言う通りかもしれない・・・警察に連絡している間に律儀に待ってくれるだろうか、否襲われるだろう。


「それでどうするの〜?僕とくる〜?」


「そんなの絶対に嫌!」


「そっか〜それじゃあ・・・」


こっちに向けて走ってきた!結構速い!追いつかれる!


「だれかーー!!!」


「はは、必死に助けを求めてるね!でもここは人気が少ないから来るわけ・・・」


「大丈夫ですかーーーっ!!!」


「なんだよもぉぉ!!!来たんじゃねえか畜生がーーーっ!!」


お笑い番組にでも出演していたかのようなツッコミ・・・それよりも誰かいたから助かった・・・


「大丈夫!?」


彼との出会いはここから始まったのだろう。


ーーーーー


彼の名前は澤本玲雄。彼はたまたまここを通っていたらしい。とりあえず助かった。


「ありがとうございました」


「いえいえ、無事で良かったです」


あ、しゅき。私は彼に恋をしたらしい。小さい頃に幼馴染に私は惚れやすいことを指摘されて我慢してたけどまあいいか。


翌日の学校では席替えをすることになった。澤本くん澤本くん澤本くん来い!


結果、澤本くんのとなりになりました。よっしゃあ!!これからは近くで彼のことを観察ができるね!やったね!


澤本くんはいつも私に対して挨拶してくれるけど、私は恥ずかしくていつもそっけなくしている。ごめんね澤本くん・・・


最近の日課は澤本くんの課題のチェックすること。はあはあ、澤本くんの書いた文字とっても丸っこくてかわいい〜〜!おっと、ここ間違ってるね!彼に間違っているところを教えながら彼の髪の匂いを嗅ぐのが最近気に入っています、う〜んいい匂い。


澤本くんは基本はいつも一人でいることが多い。だけどそこらへんをフラフラしているので誰か困っている時にすぐに助けられるから一人でいるだけと涙ながら澤本くんが話してた。さて、授業が始まるので教科書を出そうとしたらなかった・・・どうしよう。あ、そうだ。


私は教科書を一生懸命探すフリをした。彼は案の定私に教科書を見せると提案してくれた。優しい、しゅき。それじゃ、机をくっつけて、はあ〜澤本くんを感じる〜最高〜


体育の時間澤本くんは誰ともチームが組めなくて困っていそうだった。いつも優しくしてくれるのでこういうときこそ助けてあげないと!というわけで私のチームに澤本くんを入れることにした。最初は先生に


「だめだ。流石に澤本だけ女子と一緒なのは」


そう言われたが私は諦めず先生とお話をした。その結果


「・・・わかったから、もういいよ」


私は見事に勝った!その後澤本くんと一緒に授業を受けた。澤本くんは何故かビクビクしていたけど、どうしたんだろうね?




あ と が き

作者です。上宮さんが結構キャラ崩壊しています。ギャップっていいよね!

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