聖女様と俺
俺は彼女の答えを待った。
「だって、君が・・・澤本くんがちさとちゃんのことが好きだからだと私は思うよ」
・・・たしかにそのとおりかもしれない。俺はまだ沖川さんのことをよく知らない、最近会ったばかりだ。だけどもう一つのことは俺もよくわからない。
「なぜ俺が上宮さんに好意を抱いてると思ったんだ?」
「澤本くんはいつもちさとちゃんと喋る時は楽しそうだったから。ただそれだけ」
それだけって・・・確かに俺は上宮さんと話しているときが心地良いと思ってはいた。ただそれだけなのか?
「それにちさとちゃんは澤本くんのことが好きだと思うよ」
は?上宮さんが俺のことが好き?なんでだ?
「・・・もしかして気づいてなかったの?」
俺は素直にうなずくと沖川さんはため息をしながら頭を抱えた。
「普通気がつくでしょ。それにちさとちゃんは好きな人をちら見なんかしないし、ご飯を食べさせてもらうこともしない。あと勉強会の時に私が澤本くんにひっついたときには嫉妬してたから」
「・・・マジですか」
「マジです」
気づかなかった。勉強会の時に怒っていたのはそういう理由があったからだったのか
俺もラブコメを読む時「こいつ鈍感だな」って笑っていたけど俺も同じだったんだな
「ねえ、ちさとちゃん。隠れてないででてきなよ」
「は?」
「・・・」
上宮さんは教卓のところからひょこっとでてきた。隠れていたのだろう。
「・・・気づいていたの?」
「わかってたよ〜だってちさとちゃん、私が告白する時に動いて頭ぶつけてたもんね〜」
気づかなかった。まさか沖川さんに告白されるとは思っていなかったから、その緊張で周りの音が聞こえなかったのだろう。
「あれ〜?もしかして私に取られるとでも思っていたのかな〜?」
「・・・」
上宮さんは頬を赤くしてうつむく。それを餌にして煽る沖川さん
「・・・そんなことより・・・なんで言ったの?私が澤本くんのことが好きってこと」
「え〜?だって、ちさとちゃんがいつまで経っても告白しないから〜?」
「そ、それは・・・」
珍しく上宮さんが沖川さんに押されている。
「さて、私は帰るとしますか〜じゃ!」
「え、ちょっと・・・!」
二人だけになってしまった・・・
「ねえ澤本くん・・・」
「なんでしょう、上宮さん」
「帰りましょう・・・」
そう言われて俺たちは帰路をたどるのだった。
ーーーーー
今上宮さんと帰っているが、誰か助けてほしい。何を話せばいいかわからない、そして気まずい・・・それでも適当に話題を出してみる。
「「あの・・・」」
「あ、ごめん・・・」
上宮さんと被ってしまった・・・上宮さんは緊張しているのか唇が震えている。
「・・・先に澤本くんどうぞ」
俺は疑問に思ったことを上宮さんに投げかける。胸のほうからドキドキという音が聞こえてうるさく俺までも緊張してきた。
「・・・上宮さんって俺のことが好きなの?」
「・・・」
上宮さんは口を開かずにうなずく。
「どこが好きなの?俺がイケメンなところ?」
「・・・そこじゃない」
否定されてしまった。まあジョークのつもりだったんだが・・・それは置いといてならどこに惹かれたのかが気になる。
「・・・優しい、あと諦めないところ」
「・・・そっか」
素直に言われるとかなり照れるが、顔に出さないように我慢する。・・・ちょっとずつ口角が上がってきた。
「・・・ねえ澤本くん」
「何?上宮さん?」
「私のこと・・・好き?」
好き。それってLike?それとも・・・
「LOVE?」
「うん・・・」
そんなの決まっている。沖川さんにも背中を押されたんだ。ここで言わなきゃ。
「俺も上宮さんのことが好きだ。最初は時折こちらを見てくる君が気になっていたがだんだん関わって行くに連れて君のことが好きになった。俺も君のことをずっと隣で見ていたい」
「・・・うん、私は嫉妬が多い女だけどそれでもいい?」
「もちろんだ」
「嬉しい」
上宮さんは今までのものと比べ物にならないほどのとびっきりの笑顔でそう言ったのだった。
あ と が き
作者です。これにて澤本くんパートは終わりです。作者は告白シーンがよくわからなかったですができる限り頑張りました。褒めてください・・・ゴホン、失礼しました。次からは上宮さんパートになります。まだ続きますのでよろしければ見ていってください!
よろしかったら応援や☆もよろしくおねがいします!
作者
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