聖女様は俺とお昼が食べたい
勉強会を終えて、今日からまた学校である。よく学校行くのはめんどくさいという人も多いが俺はそうは思わない。多分この学校に通っている男子たちも同じだと思う。
なぜなら・・・
「おはよう、上宮さん」
「・・・ん」
この学校で一番人気の聖女様が降臨しているからだ。男子たちは上宮さんと話せる可能性があることを信じて学校に来ているくらいのガチ勢共だ。そして俺は最近上宮さんと仲良くなった・・・と思う。
彼女は他の女子生徒よりも頭一つ抜けている。町に出れば、スカウト、ナンパ等に見舞われる。ちょっとかわいそうだが仕方ないことだと俺は思う。だってこんなに可愛いのに話しかけるなというのは無理のある話である。俺もそうだ。
他の女子生徒には特に反感を買われていないのも彼女のすごいところだと思う。そう彼女は優しくラブコメなどの小説にいる完璧超人である。
そんな彼女に俺は・・・
「じー・・・」
今日もチラ見されている。最近はちょっと怒気があるような目で見てくるので俺は何か上宮さんにしてしまったのだろうかと考えてしまう。あと最近は俺にも友達ができた。
「おはよー!澤本くん!」
沖川さんだ。彼女は元気っ子であり、上宮さんと同じように美少女である。彼女もまた男子に人気である。上宮さんとは昔からの幼馴染だそうだ。
「澤本くんは宿題終わってる?」
「もちろん終わってるよ」
「それなら見せてほしんだ!」
彼女の性能としては運動に極振りしてあり、勉強は大の苦手。だが運動は上宮さん以上の性能があり、運動部に引っ張りだこになっている。
「・・・自分でやりなさいよ」
「ぶぅ・・・いいもん!澤本くんは優しいから見せてくれるから!そうだよね?澤本くん・・・?」
沖川さんは助けをこうような目で見てくる・・・断ったら罪悪感が湧くこと間違いなしの純粋な目だ。上宮さんの方を見たら、沖川さんのことを厳しい目で見ていた。まるで俺に頼らずにやれと目で言ってるようだった。
「う、うんいいよ・・・」
結局俺は押し負けて沖川さんに宿題の答えを見せた。
「・・・ここ間違ってる」
「あれ?そうなの?」
上宮さんチェックが入った。
ーーーーー
そんな朝の騒動は終わり今はお昼。
クラスメイトたちはそれぞれのお気に入りの場所でご飯を食べようと移動していた。
俺もその波に乗ろうとすると後ろから声が聞こえた。
「・・・澤本くん」
上宮さんだった。彼女は手に可愛らしいお弁当を持っていた。どうやら俺にご飯を誘いに来たみたいだった。
「あれ〜?澤本くん?」
「あ、沖川さん」
「・・・はは〜ん?」
「・・・何?」
「いやなんでも〜?」
沖川さんは俺と上宮さんを見て何かを察したのか悪巧みをするような顔をした。大抵こういうときは嫌な予感がするものだ。
「そうだ!澤本くんはお昼暇〜?暇なら私と食べない〜?」
沖川さんにお誘いをもらった。
「いいですよ、暇ですし」
「それなら決まりだね〜!」
俺は沖川さんの誘いに乗った。
「ちょ、ちょっと待って・・・!」
「どうしたの〜?ちさと〜?」
上宮さんは慌てたように沖川さんを呼び止めた。あんなに慌てているところ初めて見た。慌てているところも絵になるから美少女はすごいと思いました。(小学生並みの感想)
「私が先に澤本くんを誘おうとしたのに・・・!」
「えーいいじゃん?先に声かけたのは私だし〜?」
「・・・それはそうだけど・・・」
どうしようか・・・上宮さんはやはり俺を誘おうとしていたんだな。穏便にするためには・・・
「それなら・・・みんなで食べない?」
「・・・いいね!」
「それならいいかもしれません・・・」
二人は納得して外に向かう。俺も急いで弁当を持ってきて二人の背を追いかけた。その途中でクラスメイトたちが俺のことを話しているのがわかった。
「・・・羨ましいな」
「仕方ないだろ、彼女は・・・」
そんなことが聞こえたがいつも聞こえることなので気にしなかった。
あ と が き
作者です。作者はクラスの中でお昼を食べます。すぐに準備できてすぐに食べられるからです。一緒に食べる友達がいないわけじゃないからね!
・・・というわけでこの話がよかったら応援や☆などよろしくおねがいします。
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