聖女様は怒ってる?
10分も集中が続かず、俺に話しかけてくる沖川さん。何故か彼女は距離が近く、すごく女の子の匂いがする。いい匂いでドキドキしてきた・・・
「・・・鼻の下のびてる」
上宮さんの方を見てみるとすごい睨んできた。まるで親の仇のような目をしていた。美少女の睨み顔はほんとに怖いんだなと改めて理解した。
「ねえねえ澤本くん!飽きちゃったから休憩にしない?」
だから集中力なさすぎじゃないか?一般人でも40分から45分くらいは集中できるとネットでみたことがある。
「駄目です。流石に10分は短すぎます」
「ぶう!ケチ!悪魔!ガリ勉!」
なんでこんなに言われないといけないのだろうか。俺は決して悪くない。沖川さんの集中力が悪いんだ。
「そう言っても今回勉強会ですので少なくともあと20分したら休憩にしましょう」
「・・・うん!わかった!」
よし、彼女はやる気になった。だが俺はまだドキドキしている。なぜならまだ彼女が俺にくっついているからだ。
「なんでそんなくっついてくるの?」
「だって〜澤本くんはなんでも知ってそうじゃん?」
「それなら上宮さんに聞けばいいのでは・・・?」
何故に俺に聞くのだろうか。確かに俺は学年で10位以内には入っているが・・・それなら不動の1位である上宮さんに聞けばいいと思う。
「駄目・・・?」
「うっ・・!」
そんな純粋そうな目で見ないでくれ・・・教えない俺が悪役みたいじゃないか・・・
「わかりましたから離れてください」
「やだ!!」
なぜだ!?
「ど、どうして嫌なんですか・・・!?」
「だ、だって〜・・・今日寒いじゃん?」
今日の気温は25度ありますよ?さむがりなのかな?大丈夫かこの人
しっかし、ずっとくっついていると彼女のあれが体に当たってしまい、は、恥ずかしい!!俺はどうにかして抜け出さなければいけない!なぜかって?恥ずかしいからだ!あと上宮さんの目が怖いから逃げたい!視線だけで人を殺せるような目をしている。
「逃げようとしてるね?逃さないよ〜?」
「ぐおぉぉ!!!離せ!!暑苦しいんじゃい!!」
なぜこんなにも抵抗するのか!暑い!
「・・・そのへんにしてください」
上宮さんが口を開く。
「いつまでベタベタしてるんですか?うっとおしいです。離れてください。」
俺の部屋の中は25度もあったが15度下がった気がする。何だこのおぞましい感じは上宮さんの方を向けない・・・
「沖川さんも速やかに離れてください」
「・・・すみません」
あんなに俺から離れるのを嫌がっていた沖川さんも素直に従わせるほどに上宮さんは強かった。
そんなことがあり、俺たちは勉強を再開した。
途中でわからない問題が出てきた。あれ?ここはどうやるんだっけな?
「上宮さん、ここってどうやるんだっけ?」
「ここは・・・」
なぜだか今度は上宮さんとの距離が近い。沖川さんとは違う女の子特有のいい匂いによって顔が赤くなってくる。最近の女子高生は距離が近いのね。おじさんびっくりだわ〜ってさっきから自分が壊れてきた気がする。
「ね、ねえ上宮さん〜?」
「・・・なに?」
「どうしてそんなに澤本くんとの距離が近いのかな〜って・・・」
上宮さんは笑顔で受け答えをしているが俺は気づいている。上宮さんの目が笑っておらず、光もない気がする。俺はその上宮さんを見て背筋が凍った。
なぜ彼女はしつこく来る男子に向けるような視線で沖川さんを見ているのだろうか・・・?ここで俺の頭の中に思い浮かんできた言葉が。
帰りたい。いや、ここ俺の家なのだが・・・俺はこの空気を知っている。たまに起こる親の大喧嘩を見ているようで隠れたくなった。
「・・・ただ澤本くんに教えやすいように近づいてるだけよ」
「そ、そうなんだ〜・・・あはは・・・」
「澤本くんわかった・・・?」
「あ、ああ!もちろん!完璧に理解したよ!ありがとう上宮さん、さすがは学年一位だね!」
「・・・そんなことないよ」
目の光が戻った気がする。空気もさっきまでのものと違い、穏やかなものになっていた。
「わ、私も上宮さんに教えてもらおっと・・・」
「わかった、それでどれ?」
それからも仲良く(?)勉強をしていき、今回の勉強会は終わりを告げた。
あ と が き
作者です。最近色々なアニメを見てきました。楽しめたし勉強にもなった気がします。ライバル役として沖川さんに出てきてもらいました〜、彼女は明るくいい子ですがちょっと押しが強い女の子です。
最後によかったら応援や☆もよろしくお願いします。
作者
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