聖女様はおかず交換をしたい

というわけで聖女様もとい上宮さんと沖川さんとお昼ごはんを一緒に食べることになった。今いる場所はラブコメとかでもおなじみの屋上ではなく外である。この学校でも普通に屋上に出向くことはできない。風が強く危ないからだ。


上宮さんはいつもは沖川さんと一緒に食べているところを見たことがある。その中に俺が入ると百合に挟まるやつみたいでちょっとヤダ。


そんなことは気にせず俺は弁当を広げて蓋を開ける。


「・・・おおー」


「手作り?」


「うん一応」


毎朝俺は早起きして自分の弁当を作っているのだ。中身の殆どは冷凍食品だがな!

俺が作っているのは卵焼きくらいである。ちなみに俺はしょっぱいほうが好きです。


「一つ交換しない?」


「いいよ、はい取っていいよ」


「・・・それなら」


「卵焼きもらい!」


「・・・あ」


上宮さんも卵焼きを狙っていたらしいが沖川さんに先を越されてしまった。上宮さんはとっても悲しそうな顔をしていた。2個しかなかったが俺は上宮さんにあげることにした。卵焼きなんていつでも食べれるからな。


「上宮さんにあげるよ」


「・・・いいの?」


俺はうなずくと上宮さんは美しい花のような笑顔を俺に見せてくれた。心になにかズバンと刺さった気がする。


「・・・ん」


「どうしたの?上宮さん?」


「た、食べさせて欲しい・・・」


俺は耳を疑うようなことを聞いてびっくりした!!!上宮さんはこんなこと言う人ではない。確認の為沖川さんを見ると鳩が豆鉄砲食らったかのような顔をしていた。


「あ、あーん・・・」


「は、はい・・・どうぞ・・・」


上宮さんはパクっと卵焼きを食べた。幸せそうな顔だが少し頬が赤い、あーんしたのが恥ずかしかったのだろう。俺も恥ずかしくて顔が熱い・・・


「・・・ラブラブだー」


沖川さんの頭がショートしているようだ。現在の状況は上宮さん笑顔だが頬が赤い、俺顔が熱く顔をあげられない、沖川さん口を開けて、ずっとなにかをブツブツと言っている。


「澤本くんも私の食べる・・・?」


上宮さんは先に立ち直り俺におかずをくれるみたいだ。


「食べます」


上宮さんは俺に近づき卵焼きをこっちに出してきた。これって・・・!?


「あ、あのー上宮さん・・・?」


「ど、どうしたの・・?澤本くん・・・?」


「なんであーんするみたいにこっちに出してくるんですか・・・!?」


「・・・私のあーんはいや・・?」


全く嫌ではございません、むしろやって欲しいです。


「では・・・」


俺は卵焼きを口に入れた。・・・上宮さんが箸を見ながら


「・・・間接・・キ・・・」


といっていたが気にしないで卵焼きを食べる。うん、うまいし甘く感じる。


「上宮さんの卵焼きは甘いね」


「・・・うん、私は甘いほうが好きだけど、澤本くんの卵焼きも結構好きだよ・・」


上宮さんにお褒めの言葉をもらった。頑張ったかいがあった。忘れていたが沖川さんはいつの間にかいなくなっていた。どうしたのだろうか?


ご飯を食べたあとは上宮さんと日向ぼっこをしながらお話した。そうこうしているうちに昼休みが終りを迎え俺たちは教室に戻った。


ーーーーー


今日は上宮さんは用事があるらしく授業が終わったあとすぐに教室をでていったので、今日は一人で帰ることにする。上宮さんの用事とは何なのか少し気になる・・・

探してみようかな・・・?


俺は学校内をフラフラと歩き回りとある教室から聞き覚えがある声が聞こえた。


「・・・」


俺は気になったので教室のドアを少し開け、中を覗く。中には上宮さんとクラスメイトかわからないがちゃらそうなイケメンがいた。その男は覚悟を決めたような顔で言った。


「上宮ちさとさん、俺と付き合いませんか?」


俺が見たもの、それは告白でした。


あ と が き


作者です。もしよかったら応援や☆をよろしくおねがいします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る