9. 組織の在り方について考える機会があった
将来、聴き屋をやりたい、と思っていることもあって、三年前に私は傾聴についての勉強をはじめました。
具体的にいうと、資格を扱っているある組織で有料のスクーリングをして、傾聴に関する資格を取りました。そのうえで、その組織での勉強会にZoomで参加して学びを深める、ということをやってきました。
傾聴の勉強についてですが、資格はとったものの、勉強会もさぼり気味だし、そうすると会からのお誘いもあまりこなくなって、あんまり造詣を深められていないな……と反省している面も多々あるのですが、それはいったん置いておきます。
私に傾聴の手法を授けてくれた先生は、沖田先生(仮名ですよ、もちろん)という先生なのですが、その沖田先生が勉強会を主宰したり、いろいろ組織について心を砕いたりしていて、あまりに負担が重すぎるのではないか、という提議がメンバーの一人から月報であったのです。
月報のその提議を読むまで、私は沖田先生の負担について想像を巡らせることをしてこなかったのですが、私生活で、出産育児に励み、仕事面でも新しい局面を迎えられている……ということを伺って、当たり前のように沖田先生の労力にフリーライド……ただ乗りしていた自分に気づかされました。
勉強会で、その件について意見を募る、ということだったので、私は久しぶりにZoomを立ち上げ、会合に参加したわけですが……。
結論から言うと、沖田先生はもう辞意を固められていました。
ただ、周囲(というか、上の方たち)が、引き留めているというか、ちゃんと落とし前をつけろ、と沖田先生に迫っているというか……まあ、そこまで露骨でないにしろ、勉強会のメンバーの総意をまとめて提出してからね、ということをいっているようで……
私も一員として意見を、と差し向けられ、まず自分がそんな状況になっていることを知らなったので大変驚いている、という旨を伝えたうえで「自分のような末席にいる人間が言っていいことかはわかりませんが、組織のために少数の人に大きな負担がいくというか、犠牲になる、という構図は良くないと思います」と言いました。
どうしても人が集まると、まとめる人が必要になってきます。
まとめる人が得をする構図ならいいのですが、そうではなく、まとめる人がその労力に対しての対価を受けとれない構図というのは組織として不健康かな、と私は思うのです。
沖田先生は少し涙ぐんでおられました。
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三年後の自分へ
聴き屋をやるのが私の夢ですが、あなたはその夢をかなえていますか?
もしかなえているとしたら、どんな形で叶えているのでしょう。
人の話を聴く、というのは簡単なように見えて、とても難しいことですね。
私は傾聴の勉強をして、そのことを嫌というほど知りました。
それでも、まだまだ入口です。
将来あなたが、どんな組織に属するのにせよ
自分が搾取する側に回らないように
搾取される側にも回らないように
うまくやっていけたらいいですね。
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