第3話匂い警察官の落日
小学生は臭い匂いが大好きだ。屁をしたら、みんな一斉に「屁こき魔」、「スカンク」などと呼び軽い苛めに合う。
そこで、僕はよくスカンクと呼ばれていたので、僕が匂い警察官になり、男子友達の椅子を1人ずつ嗅ぎ回った。
クンクン、クンクン、……グハッ!
発見した!
佐藤君(仮)の椅子がビンゴした。
「佐藤君の椅子がウンコの臭いがするぅぅ」
すると、皆が佐藤君の椅子の臭いを嗅ぐ。
「くっせ~」
「便所」
「
佐藤君は泣きそうな顔をして、
「じゃ、羽弦君の椅子を嗅がしてよ!」
「いいよ」
クンクン、クンクン、うわっ
「羽弦君の椅子、ウンコの臭いするぅぅ」
皆が、佐藤君の席から離れ僕の椅子の臭いを嗅ぐ。
「ウンコもらしたの?」
「便所君の臭いがする」
「お尻、拭いてるの?」
「薩摩香水(肥やしの臭い)」
「クラスで一番臭い椅子」
などと、叩かれた。
僕の3日天下ならぬ3分天下であった。僕はそう言われても、えへへ、テヘッと笑っていた。
昼休みは当然鬼ごっこ。
「羽弦菌」とか言って皆が逃げ回った。
小学生とは、実にドライな生き物である。
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