第3話 3日目
トラブルにあったものの、Aはなんとかその日は朝には起き、大学の講義に向かった。
その日BとCはそれぞれ大学には来ていなかった様子であり、話すことはなかった。
その翌日もAは講義のために大学に行くと、Cが同じ講義の教室に入ってきた。
「おう、おはよう、C。この間は、あのまま帰ったんだよな。帰るなら、一言くらい声かけてくれよ。」
AはそうCに話しかけたが、
「ああ。」
と気のない返事だけすると、フラフラとAの席から離れた場所へいき、一人で座ってしまった。
結局Aはその日、それ以上Cと話すことができなかったし、もっと言ってしまえば、それ以降Cと話すことは一度もできなかった。
同じ日の夕方の講義で、AはBと同じ教室だったことから、講義の終了後、昨日のことを話していた。
「昨日は本当、正直ビビったよ。すげえ疲れたし。」
「まぁ、あんまり経験しないことだよな。」
「そういえば、Cと午前中会ったんだけど、なんか反応がすごい悪くてさ。お前、あの後Cとなんか話した?」
「いや、俺はまだ全然話してない。顔も見てないわ。なんで、あいつ1人で帰ったのかな。もしかして、あいつなんか見てたりな。」
「何かってなんだよ。あのおじいさん以外にもなんかあったっけ?」
「だからさ、俺が話してたあの幽霊だよ。Cがひとりで見てたりして。」
「そんなわけ…。」
ないだろうと、言おうとしてAは否定できる要素がないことに気がついた。ただ、AやBだけじゃなく警察も来てるような、いわば少し騒がしい状況の中で、Cだけがそんなおかしなことに出くわすとは考え難かった。
「てゆーかさ、お前まだ幽霊の話なんて真面目にしてるの?昨日のことで何もないってわかったろ。」
「まぁな。わかったけどさ。」
それから、一瞬間が空いた後で、2人は別の話題へと、話を変えた。
Aは、Bがなぜ幽霊の話にそこまでこだわるのか少し不思議に感じていた。
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