第7話 人口減少~この日から悪夢が始まった

(※第7話からは三女、吹石志穂 視点で書いています)


この日を境に香良洲島では黒い羽をパタパタさせ飛び回るカラスを見かけることが

増えていた。全身黒一色に染めたカラスは大きな鳴き声を張り上げて「カーカー」と

頻繁に鳴く。それは1羽、2羽ではない。


多い時は何十羽も飛び回る群れを見かけることもある。


カラスは不吉を運んで来る鳥の象徴とも言われ、

そして、不幸はいつも友引の日にやってくるのだった―――ーーー。



この日照りが続く中、畑の野菜は枯れ果て、活気を失くした野菜は虫に食いつくされ

可哀想なものだ。あんなに熱心に畑で仕事をしていた老人達は今ではポツポツといるだけで、殆ど見かけなくなっていた。

また、事故死や病死で次々と町の住人達が友を連れて行くように亡くなっていた。





住人達は怖くなり『いつか自分の番が回ってくる』と思い込み、香良洲島を

出て行く住人の姿も見られ人口はどんどん減ってきていた。


やはり、死神はいるのだろうか……。

生きている私の目には見えないが、確実に死が近づいてきている人には

見えるのだろう……。


人は皆、それぞれ与えられた寿命がある。

長く生きられる人もいれば、短い人生の人もいる。

それは誰にも分らない。神様だけが知っていると私は思う。


神様も死神には叶わないのだろうか……。


本当に死神が住人達の死を手伝っているのだろうか……。




どうすればこの連鎖する悪夢からのがれることができるのだろう……。


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