第5話 死神、再び…呪われた香良洲島の行く末は……

〈きっと、これは夢だろう……〉


深い深い霧の中を彷徨さまよう美由紀の前に突如、男が現れた。


『お前を迎えに来た、我は死神―—シンドリアだ』

『え? シンドリア? 違う…神之介でしょ。少し、身長伸びた?

顔も体も少し大人になったみたい…』

『お前の魂を頂きにきた』

『わかった…。その前に聞きたいことがあるの。お父さんを殺したのは

あなた? 神之介がやったの?』

『我はシンドリアだ。神之介と言う名など知らん』

『じゃ、神之介はどこにいるの? 神之介ー、神之介―。お母さんよー』

美由紀は大声を張り上げて叫ぶ。


シンドリアは頭を抱え苦しそうにしている。

『やめろー、その名を呼ぶな!!』

『お母さん、僕は奴の中にいる。僕と奴は融合しているんだ。父さんをったのはコイツだ。そして、僕はコイツに食べられたんだ』

『神…神之介…』

『黙れ、クソガキが!! 永遠に封印してやるわっ!!!』

『あ―――あーーあーー』

『神…神之介――……』


〈きっと、これは夢だ……〉


美由紀は魂だけになってもなお、我が子にただ会いたかっただけだった。

失神した美由紀の魂は死神によってどこか別の場所へと連れていかれたのだった。



そして死神は美由紀の魂になった身体を抱きかかえると深い霧の向こうへと

消えて行ったーーー。

 

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