第149話 ドラフト結果と編成について考えた

それにしても、ドラフトの結果についてメディアや一般の人たちは、それぞれ勝手に格付けとかしてますね。


まあ、週刊ベースボールをはじめとするメディアはずーっとやってきている事で、彼


らも商売ですから今更やめられないでしょうが、それにしても、ドラフト直後、まだ


可能性しかない人たちを並べて「このチームの指名は90点、ここは80点」とか勝手


なもんです。ベースボールでの我がドラゴンズの指名は60点で最下位らしいので、余


計に腹が立つわけですが……


よく言われますね、ドラフトの成果は5年たたないとわからないと。


しかし、メディアは5年前の自分たちの採点の振り返って、自分たちの判断は正しか


ったとかの検証はやらないですよね。言いっぱなしで無責任なもんです。ペナントレ


ースの結果や甲子園の出場校評価でも見たことありませんが。所詮は、その場の刹那


のコンテンツというわけです。評論家や、もちろん一ファンも同じです。


さて、最近は、その一ファンがSNSやYOUTUBEで発信できる力を持ってしまったか


ら厄介です。


特に今年は、立浪監督やドラゴンズ球団は叩いてもよいという免罪符をなぜか得たか


のように、好き勝手な批判が並びます。二年連続最下位だし、確かに納得いかない采


配も散見されたので、シーズン中試合結果などに関して批判を受けるのは、仕方ない


かと思います。私も、この日記で苦言を呈しました。


しかし、これから未来しかない新入団予定選手たちにまでそれを波及させるのは、誹


謗中傷・罵詈雑言の類でしょう。渡会選手の指名公言した夜に「球界の損失」とかが


トレンドになっていました。そして、実際に指名された草加投手に対しても「入団拒


否」を勧める方とか、こちらの気持ちまで荒んでしまいます。


Xが、イーロンマスク氏の戦略で色々と制限がかけられつつありますが、こうした惨


状を見ていると、それも仕方がないのかとさえ思えてしまいます。


そういう面白半分の人たち以外の、ドラゴンズファンと自称している方々も、今回の


指名内容がお気に召さないようで、色々と文句を呟いています。


「選手に文句を言ってるのではなく、球団の編成方針に対する意見表明だ」と予防線


を張ってる方もいましたが、結局はその方針に従って指名された選手が現在はクロー


ズアップされているわけで、どうしたって特定の順位で指名された選手への批判・揶


揄となってしまいます。SNSでは、広く拡散されてしまうので、その対象の選手の目


に触れる可能性は高く(うれしくてエゴサとかする可能性は十分です)、未来ある若者


の意識に水を差すことになります。もちろん、球団の指名・編成方針に不満を持つの


は個人の自由です。とはいえ、それは球団に直接DMするなど、公にしないでやって


もらいたいものです。実際、SNSの洪水の中で何か意見しても、流されて球団に届く


ことはないでしょう。きちんとしたメールや手紙を真摯にしたためた方が、よほど影


響力があるのではないでしょうか。本当に球団・選手のことを思って意見したいので


あれば。もちろん、メディアに登場できるほどに発信力のある方は、それを用いるの


もありだと思います。メディアが編集責任を負ってくれるでしょうから。



おっと、ドラゴンズの現在の選手構成を考えたかったのに、筆が滑ってその前置きだ


けで1000文字越えてしまった……それだけ、ドラフト会議直後からの不満・批判の


流れがどうにも気持ち悪かったので、お許しください。



ドラゴンズの内野手の支配下登録数の推移をまとめて考えてみました。近況ノートにその表をアップしたので、確認されたい方はご参照ください。

ここに貼り付けられればよいのですが、カクヨムは文中に画像を入れられないので。

https://kakuyomu.jp/users/hatano19810222/news/16817330666014633744


2021年から、今回指名の津田・辻本を含めて12→13→16→14(予)という推移です。


2023年度に急に増えたのは、皆さまご存じの京田・阿部・三ツ俣の三選手が抜けた


分を村松・福永・濱・田中・樋口(育成より途中登録)のルーキー5人で埋めたためで


す。これ、乱獲と批判されましたが、濱は内野手経験浅く、樋口は当初育成でしたの


で、戦力的には3名減をルーキー3人で補った形ですから、乱獲とまでは言えないと


思います。しかも、田中幹也は脱臼でシーズンを棒に振ってしまいましたから、実質


的に戦力になったのは村松・福永の二人でした。まあ、京田・阿部のトレードはさて


置き、三ツ俣の戦力外は悪手だったと私も思いますが……


その16名体制から、堂上・福田が引退し、高松がトレードで抜け、濱は外野手転向


で12名となっているのがドラフト前の状態でした。


内野手二名の確保が当初からの予定だったようですが、当然の手配かと思います。


「昨年、あれだけ乱獲したのに、また内野手を二名指名するはなぜなのか。昨年の編成は失敗だったということか」


などの批判がSNSで激しいです。まあ、感情的にはわからなくはないです。


私も、三位指名を聞いた時には「いくら何でも」と思いました。


ただ、引退選手がいる以上、人数的には何らおかしくない措置かと思います。逆に獲


得しなかったら、二軍とか完全に回りません。


一軍メンバーを、今年終盤見られたビシエド・カリステ・石川昂弥・高橋周平・


村松・龍空・福永・石垣の8名とすると、二軍は溝脇・星野・樋口・田中だけになっ


てしまいますから。実際今シーズン二軍の終盤、味谷ファースト、加藤匠馬サードと


か捕手大活躍の惨状でしたね。


現状、二遊間が固定できているとは言えませんから、二遊間の有力選手二名の指名


は、それこそ編成的には必須かと思います。


「固定できなかった責任」は育成含めて首脳陣にあるし、その批判は否定しません。


「オープン戦で龍空不調のため、当面は二軍で鍛える」という方針が一か月たたずに


撤回され、そのためか打撃が改善されず、前年より悪化。など最たるものでしょう。


では、かといって、底上げを期待して補充しないのは、少なくとも頭数的にできない


状況です。


とはいえ、二巡目指名時点で、名城大の岩井・松本、大商大上田大河・高などの有力


投手が残っていましたからね。特に、せっかく地元名城大の有望株がいるのに……と


言いたくなる気持ちはわかります。私もそう思いましたし。


しかし、どうやら10/28CBCラジオ"スポ音"の若狭アナの取材からの言葉を聴けば、


「渡会か武内か、どちらに行くか」という一位の選択はあっても、大学投手二名指名


の予定はなく、上位で内野手二名、そして高校生投手、下位で中継ぎ即戦力のストレ


ートの力強い投手が優先という方針だったようです。で、立浪監督が渡会一位を選択


しました。


結果、渡会をはずして草加指名、二位は内野手からとなったわけです。そもそも津田


選手については、事前に阪神・巨人と上位で競合する、という情報を掴んでいたか


ら、二位で取りに行くしかなかったようですね。実際、阪神のスカウト会議の模様の


動画を見たら(よくこんなもの出しましたね阪神は)、ホワイトボードに、阪神・巨


人・中日がリストアップしている様が映されてましたね、二・三位あたりで。中日の


順番が一番遅くなる三位では、取れる可能性など(阪神・巨人の変更がない限り)なか


ったわけです。


「津田は、三位以下でも取れた」とかいう批判(文句)は、当たらないですね。



そして、もう一名の内野手は三位時点で一番能力の高い大卒の"世代ナンバーワン"で


ある辻本選手が残っていたから指名となったのでしょう。そのまま続けられる四位が


高校左腕の福田くんとなり、5・6位の土生・加藤竜投手は狙い通りの力強いピッチ


ングのできる投手と期待しています。


渡会選手で抽選確定できていれば、内外野手と考えて、二位は大学生投手で、名城大


岩井投手あたりだったかもしれませんが、これはもう仕方ないところかと思います。


むしろ、「渡会選手の抽選が外れても、草加投手の抽選だけは絶対に当てて欲しかっ


た(スポ音より)」とのことなので、狙い通り第二希望の草加勝投手が無事獲得できた


ことを素直に喜びましょう。亜細亜大で鍛えられた、与四球が少なく完投の多い草加


投手、今シーズンのドラゴンズの投手陣の課題となっていた点を見事に補うピースと


なってくれそうです。



長々と「今回の指名に異議あり。編成の問題だ」という批判に、状況的に反論してみ


ました。まあ、いろんな方がSNSで既に反論されているので、後追いですが。


しかし、こう言うと今度は「同年齢の野手が渋滞していて問題だ」という別な角度か


ら指摘する方もいます。


そんなに今回の野手二名指名が気に食わなかったのかと思いますが……


でもそれは、何年後かにこの状況が続いていた場合に問題にすべきことですよね。


確かに現時点では2000年~2003年生まれの野手が7人もひしめいています。別格的に


扱いたい石川昂弥を除いた6人で切磋琢磨することは良いことではないでしょうか。


その中から来シーズン固定できるレギュラーが生まれると信じています。固まれば、


他の野手はサポート役やコンバートなど、適宜分散されていくことでしょう。皆、ま


だ二十代前半ですから、幾らでも可能性があります。


それでもなお、「競争というけど、ひしめきあって、出場機会が食い合って少なくな


り経験が積めない」という心配性な方、大丈夫です。上述したように、二軍も含めれ


ばそんな余裕はドラゴンズにはありません。どんどん試合に出てもらえますよ。



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