失恋

俺は寝る前にベルトで首元を自分で締めた。苦しい。苦しすぎた。


苦しすぎてついベルトを緩めてしまった。代償として嘔吐が止まらなくなってトイレに駆け込んだ。どうやら失敗に終わったようだ。


親父が「大丈夫か。」と駆け込んだ。バケモノの癖に。


大丈夫。とごまかつつそそくさと寝室へ帰らせた。


「あんまり変なことするんじゃないぞ」と捨て台詞を吐いていたと思う。金稼ぎの材料が減ると困るだろうな。


おめーのせいでこうなってんだぞ。とぶちまけたいが、そんな事したってなんの解決にもならない。計画も台無しだ。


俺はもう一度寝室に戻り、今度はベルトを少し苦しいくらい首元を締めて横になった。


これでそのまま明日が来なければ良いなぁ。







アラームが鳴った。空も明るい。淡い期待を裏切り朝がやってきた。今日も出勤だ。ふと涙が止まらなくなった。

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