第一話

空は灰色に見えていた。


俺は、親父が経営をしている小さな会社の大工をしていた。親が俺に会社を継がせたいらしい。

肉体労働なのにも関わらず月二十五日勤務で十二万円で働かされていた。

もちろん実働時間が短いわけでもなく、十時間ぐらい毎日働かされて、休みがない週だってあった。現場が毎回遠くて往復二時間くらい掛かるから実働八時間という言い分付きだ。それでも足りないくらいブラック会社だった。


社長の親父の言い分では

「今まだお前はそんなに役に立っていないからこれだけしか出せない。もっと頑張れるようになったら同世代よりも高い給料をあげるからな、頑張れ。」


「今月はまだ得意先からお金が振り込まれてないから、振り込まれたらまとめて払うから少し待ってほしい」といわれて給料が未払いの月もあった。

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