スイ

「あきらに会いたいから、今度福島行くね!!」とすいは言った。


てて、あきら、すいの3人でボイスチャットをしていた。


「遠いから軽い旅行だね、3人でどこ行こっか、」とあきらが言う。


「俺もスイがくる日が土日だから休みが取れるか分からないけど取ってみるよ」


ホテル業だった自分にとって土日は忙しいので休みを入れるのはご法度のようなものだ。


「別にててさん居なくてもいいかな」とスイは言った。


「マジか」と俺は本気で凹むとスイは「冗談だよ」と笑った。


「まぁ、でも休みが取れないかも知れないからそん時は2人で福島楽しんでよ。」と俺は残念そうに答えた。


「いや、3人で飲もうよ、人数は多いほうが楽しいからさ」とあきらが言う。


「そういやててさんてホテルで働いて居るんだよね?」とすいは言った


「そうだよー」


「じゃあ、ててのホテル泊めさせてよー


「職場観られるは嫌だな笑、安く泊まれるかも知れないからちょっと聞いてみるよ」


「お願いね」


そうして、すいの旅行計画は始まった。


「福島といえば何がある?」とすいは尋ねた。


「いや、何もないかも笑」と俺は苦笑いをする


「桃が有名じゃん」とすいは突っつくように言った。


「そうなんだ、桃有名なんだね、なんか桃とか使ったスイーツ食べたいねー」

と俺は提案をした。


「あー、いいかも」と三人は頷いた。


「じゃあ、調べておくよー」と俺は言った。


プライベートで久しくひさしく女性と接して居なかった俺はとてもワクワクしていた。あきらともデートみたいな事は出来たし、なんなら女の子2人とお出かけなんて人生で出来るとは思っていなかったもんだ。よくいる何故か男一人で女性に囲まれて街に歩いているリア充っぽい男みたいなもんだ。そういう奴が意味が分からなかったし、羨ましくも思えた。だが、今俺はそういう状態だ。嬉しいが、そういうやつに妬む理由がなくなった。



俺はまたとないチャンスなので、無理を言って休みを取ってもらった。というか「仕方ないか、たまには」みたいな空気で申し訳無さと嬉しさが交差した。これで気兼ねなく楽しめる。ちょっとホテルが心配だけど、あいにくホテルも客が多くて忙しそうだった。


上司は俺が友達が居ないことがわかっていたので、何事か。みたいな顔をしていた、小さいホテルなのでその噂で注目の的みたいになっていた。


俺はそんな事は気に留めなかった。目の前の楽しい未来が待ってる。そう思えば、良い。自分さえ良ければ。


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