第9話 ツンデレ、ヤンデレ、変態女




 俺の召喚に応じて現れた三人の女たち。


 メルリルと同じく赤髪の女がアマリア。髪が長くて背は低く、どこかこまっしゃくれた感じの貧乳幼女キャラ。


 腰まである水色の髪の、お姉さん風の背が高い巨乳美女がクリスティーナ。


 そして、紫色の巻き毛美女がユメル。彼女もクリスティーナ同様、背が高くて胸がでかいが、なんだか異様なまでに色気がむんむんしている姐さんだった。


「お呼びでしょうか、ご主人様」


 水色の髪のクリスティーナが跪いてそう答えた。


「ちょっとっ。あたしを呼ぶときは前もって言ってって、いつも言ってるじゃない! だけどまぁ、そんなに会いたかったんだったら、それはまぁ、しょうがないっていうか~?」


 そうツンケンしているのが赤毛の幼女アマリア。


「うっふふ。マスター? どうしてこんなところに呼び出したのかしら。どうせなら、ベッドの上がよかったわぁ」


 そう艶やかに笑って腰をくねくねさせているのがユメル。

 三人とも、それぞれの髪の色に合わせたような色合いのドレスを着ているが――なんだろう。

 気のせいかもしれないが、この三人、やばくね?


 アマリアはツンデレ幼女だし、ユメルはエロ姉様だし、クリスティーナ――クリスは……まともか? いやいや、よく見ろ。目の奥が笑ってないぞ? ていうか、今、俺を見て舌なめずりしたような。


 これってあれか?

 もしかして、ヤンデレ状態じゃないだろうな?


 そう思ったのが悪かったらしい。唯一まともだと思った綺麗なお姉さんが、うっとり顔になってしまった。


「あぁ、ダメですわ、ご主人様。そんなに見つめないでくださいまし。私、今すぐあなた様と子作りしたくなってしまいますわぁ」


 一人身もだえ始める水色の女性。


「あぁ、触って、触ってください、ご主人様。私、もう耐えられませんわ!」


 完全に目がいっちゃっている清楚だと思っていた水色のお姉さん。


 ――あぁ、ダメだ。これ、絶対ダメな人だ。


 虎の子と思って呼び出した最強の駒だったのに、三人が三人とも、非常に残念な属性を兼ね備えていた。


「マジか……」


 ぼそっと呟き項垂れていると、隣に立っていたメルリルが声をかけてくる。


「いかがいたしますか?」


 おそらく、防衛体制をどうするのかというところだろう。

 目の前の残念な女性たちは多分、戦力としては申し分ないはずだが、なんか不安しかない。


「ちっ。仕方がない、どうせこの浮遊大陸は開拓しないといけないからな。どうやら今は、この宮殿しかないようだし」

「そうですね」

「だから、この大陸を丸ごとダンジョンにしてやる」

「ダンジョンですか?」

「そうだ。いわゆる要塞化という奴だな。浮遊要塞アグリエス。なんか、よくないか?」

「そうですね」


 そう言って、メルリルは笑ってくれる。


 ――あぁ、なんだろう。メルリルだけが唯一まともな女の子のような気がしてきたぞ?


 まぁ、服装は相変わらずビキニっぽい奴だけどな。



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