第43話 帝国と皇帝6

 見知らぬ平原。

 そしてレンを囲むように立つ騎士たち。

 その騎士たちの姿にレンは違和感を覚えた。

(まるで大昔の騎士のような鎧)

 レンのことを眺めていた騎士の一人が声をかけてくる。

「ふむ。どうやら迷い込んだようだな」

「迷い込む?」

 レンは理解できないというように周囲を見回す。

 完全に知らない土地だった。

「ここは?」

「言うなら今とかつての狭間、現実にはない場所だ」

「は、はあ。なんで俺は迷い込んだ?」

「帝国という土地とそなたの持つセイブザクインがここを結び付けた」

「……もしかしてあんたたちはセイブザクインで呼び出せる騎士なのか?」

「そうだ。我々はあの娘と共に獣と戦った戦士だ」

 騎士ははっきりと言うと周囲の騎士たちも頷く。

「じゃあ、なんで俺はセイブザクインを扱えない?」

「それは我々がそなたを認めていないからだ」

「どうしたら認めてくれる?」

「あの娘を呪縛より解放する意思を見せるならそなたを新たな主と認めよう。どうやら時間の様だ。また会おう。若き戦士よ」

 次第に騎士も平原も薄れていきそこで目が覚める。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る