第21話 大規模作戦1

 フルールで過ごす日が終わりを迎え、ティアの両親に見送られルヴォン行きの列車に乗り帰路についた。

 その日の内にルヴォンに着き、一日休みを取って<バベル>に出社する日となる。

 ティアとレンが二人して出社するとそれを見ていたノアが真っ先にからかいに来る。

「よお。お二人さん。二人して長い休暇取ってティアの実家行ったんだろ? 婚約とかしちゃったとか?」

「そんなことあるか」

「……」

 レンはからかうなというようにあしらうがティアは恥ずかしそうに俯いていた。それを見て気まずいのでは思ったノアはレンのことを見る。

「……あー。まあ、気にすんな。軽い冗談だ。それよりも大規模作戦の会議があるって知っているか?」

「ああ。だから戻ってきた。どの部屋で行われる?」

「確か第一会議室」

「まあそうだよな」

「あの。ノアさん、大規模作戦で巣を攻撃するんですよね。どこに攻撃するのですか?」

「この間、レンが魔獣を倒した辺りの奥だな。あの辺りに前線基地を立ててあるからそこから攻め込むって」

「なるほど」

「それで、どんな作戦なんだ?」

「あー。それが、俺が作戦考えたんじゃないんだよな」

「隊長のお前じゃなくてか?」

「ほら。今は鳩から来ているのがいるだろ? そいつが立てて」

「忘れていた。そうだったな」

 鳩の隊員がティアにちょっかいをかけようとしていたことを思い出し不機嫌そうな表情をする。

「まあ俺もいるからよっぽどなことはならないと思うぞ」

「そうだな。何時からだ?」 

「十時だ」

「わかった」

「じゃあ、俺はちょいとやることがあるからいくぜ」

 ノアがその場から去っていったことを確認してからティアがレンに聞く。

「あの。私はついていってもいいですか?」

「問題ないというか、ついてこないとわからなくなるぞ?」

「あっ。そうですよね。一緒に行きます!!」

 ティアが確認できて決心しているのを見ながらレンは拳を握り覚悟を決める。

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