ヒコーキがすき

はくちからす

第1話

私は飛行機が好きだ。

特に、離陸する瞬間がすきだ。

巨大な鉄の機体は地響きをあげながらだんだんと速度を上げていく。

窓の外に張り付いていた雨粒たちはものすごい速さで窓枠の外に流れていく。

ふいに、浮遊感が体を包み、体が後ろに倒される。慣性という大いなる力の前に屈服するしかなかった。


窓の外は真っ暗闇で何も見えない。雨粒だけが光って窓枠に絶えず自らの痕痕をつけている。夜のフライトは体にかかる重力とあいまってタイムマシンに乗っているようでもっと好きだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヒコーキがすき はくちからす @hakutikarasu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る