苦しくて仕方がないのだ

 私は苦しいのは好きではなかった。誰だってそうであるはずなのに、みんなそのことを羨ましそうに、嬉しそうにしているのだった。


 それは恋というものだ。


 誰だって恋をしていまえば、胸がキュンキュンしたりするし、会えただけでも幸せだったりする。なってしまうと、毎日嫌だった学校だって、楽しみになっていたんだ。



 恋はいいことばかりではない。辛いことも同じように運んでくるのだった。



 私は初めて恋をしたときに、自分自身の醜い感情を知ったのだった。それが嫉妬というものだ。


 好きな子が他の子と楽しそうに話していたり、距離が近いといいなとか、羨ましいと思ってしまうのだった。

 彼は私の彼氏にもなっていないし、私のでもないのに、彼と話している時に、話しかけてくる人に対して、ふと頭の中に浮かんでいるのだ。


 なんで邪魔するの?


 相手は邪魔をしに来たわけではないことは分かっている。でも、真っ先にこんなことが頭を占めるのだった。

 どす黒いモヤモヤが湧き出てしまい、心を埋め尽くしてしまう。

 汚いと思っても、いつもいつも出てくるので、そんな自分にも嫌気がさしてしまう。

 

 また今日も彼に対して、重たい感情を抱き続けたまま、学校へ向かうのだった。







 彼はもういなくなってしまったのに。

 


 



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