生徒会

「日和先輩お久しぶりです」

「ひ、日和先輩お、お久しぶりです」

「2人とも久しぶり〜」


 陽介と穂乃果は数週間ぶりに会う日和に挨拶をしていたが穂乃果は緊張しているのか声が震えていた。

 陽介はなぜ緊張しているのか心当たりがあった。

 中学の頃可愛いもの好きの日和に美少女の穂乃果は弄ばれていたため軽いトラウマになっていた。


「穂乃果ちゃん上級生のクラスで緊張しちゃたのかな?」

「い、いえ、そんなことないです、、」


 日和は美少女台無しのとろけた顔では無く年相応の満面の笑みで微笑みかけていた。

 あくまであのとろけた顔は親しい間柄の人にしか見せず公の場では完璧美少女だ。

 そんな顔を見たことのある陽介は密かに心の中で他の男子にマウントをとっていた。


「あ〜なるほどね、そう言うことか、、」


 穂乃果と日和の会話を見てとわは何かを察したのか遠い目をしていた。

 彼女も以前穂乃果のようなことを受けたのかと陽介は若干嫉妬していた。


「ひーちゃんそんな後輩ちゃんをいじめちゃダメだよ。」

「もー、そんなんじゃないよー。」


日和を止めたとわに頬をぷくーっと膨らませ抗議する姿は小動物の様で可愛らしく陽介の心は癒されていた。


「はいはい、そんなことより2人はひーちゃんに用があってきたんだって。」

「そうなの?」

「はい、挨拶ともしよろしければ生徒会に加入したいなと。」

「「「えっ?!」」」


予想外の要件に陽介以外の3人は声をあげて驚いた。

 通常生徒会役員は生徒の選挙で決まるためそう簡単になれるものではない。


「さすがに生徒会長の私でも役員にするのはむりかなぁ、、」


日和は中学に引き続き高校でも生徒会長をやっているがそんな日和でも選挙なしで勝手に役員にするのは無理なようだ。


「それならば日和先輩の補佐をやらせてください!!」

「ちょっ?!陽介くん!頭あげて」


 勢いよく席を立ち日和の前で深々と綺麗な土下座をする陽介に日和はあわあわと慌てていた。


「わ、わかったよ。補佐なら多分大丈夫だと思うから頭あげて。」

「よっしゃ!」


 日和の言葉にガッツポーズをとる陽介に穂乃果は不服な表情で見ていた。

 

「日和先輩これからよろしくお願いします。」

「陽介くん、よろしくね。」


 日和の補佐が決まりこれからのことで話を進めているなか穂乃果は終始落ち着かずそわそわとしていた。


「じゃあ先生に補佐のこと伝えてくるね。」

「ちょっ、ちょっと待ってください」


 日和が教室を後にしようと席から立ち上がった時穂乃果が勢いよく立ち上がった。


「私も生徒会の補佐にしてください。」

「「えーー!?」」

「はは〜ん」

 穂乃果は力強く宣言し陽介と日和は驚き声をあげたがとわは何かを察したようでニヤニヤとしていた。


 

 

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