数週間ぶりの再会

「で?どんなふうにひーちゃんに告白した

の?」


 陽介達が席について早々にとわは周りにも聞こえる声で質問をしてきた。

 その言葉にクラス中がざわつきあちこちで「あの子が噂の、、」と言う声が聞こえてきた。


「いきなりですねぇ、そういえばなんで告白のこと知ってるんですか?」

「そりゃ有名だよ。新入生が入学早々マドンナであるひーちゃんに告白したって話題になってるんだからね。」


 どうやら告白の瞬間を在校生に見られていたようだ。


「なるほど、見られていたなんて気づかなかったな。」

「あたりまえでしょ、校門の前で告白してれば見られるでしょ。」

「あ、あぁそうですね、、」

 呆れたように呟く穂乃果にバカにされたようで若干イラついたがどうにか抑え込んで返事をした。

 

「仲が良いねぇ、名前は?出身中学は?陽介くんとはどんな仲なの?」

「え、えっと、、」


 とわの怒涛の質問に普段明るい穂乃果もおどおどとしていた。


「ごめん、いきなり過ぎちゃったか、、」

「だ、大丈夫です。はぁー、私は岩村穂乃果といいます。陽介とは幼馴染て同じ中学出身です。」


 一呼吸置いてから穂乃果は喋り出した。


「なるほど、幼馴染か。どおりですごい距離感が近いわけだね。」

「まぁ、そうですね。もう10年以上の付き合いですから」


 変な勘違いをしているのかニヤニヤとしながら話すとわに訂正も兼ねて返答をした。

 

「へぇ〜」

「な、なんですか?!」

「いや、穂乃果ちゃんは苦労しそうだなと。」

「いや、こいつは頭お花畑なので苦労なんてないと思いますよ。」

「はぁ?!そんなことないし陽介の方が頭お花畑なんですけど。」

「はぁ?!なんだとぉ!」


 2人の言い争いを見て先ほどよりさらにとわはニヤニヤと笑みを深めていた。


「お二人さんいちゃいちゃしないで」

「「そんなんじゃないです!」」

 

 陽介と穂乃果は同時に一語一句同じ返事をしたためとわは腹を抱えながら「やっぱり息ぴったりだ」と大爆笑していた。

 

「あれ?陽介くんと穂乃果ちゃんじゃん。」


とわがなかなか笑い止まない姿に陽介と穂乃果は不服そうな目で見ていると教室のドアから聞き覚えのある声が聞こえてきた。


 

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