思わぬ再会

「今からどこ行くの?」

「ん?日和先輩のクラスをちょっと見に行こうかなと」

「私もついていっていい?」

「あぁ、いいぞ」


 学校が始まり1週間、久しぶりに日和先輩と会いに行こうとしたところ穂乃果も一緒についてくることになった。


「日和先輩のとこに何しに行くの?」

「ん?ただ会いに行くだけだよ」


 そう言うと穂乃果は「はぁ」と肩を落として呆れるような目で陽介の方を見た。


「陽介も懲りないねぇ、普通フラれたなら会いずらいんじゃないの?」

「いや、そんなことないぞ。どうにか振り向いてもらうためにずっと近くにいるんだよ」


 そこ言葉に穂乃果はなぜか一瞬悲しそうな目をしたがすぐにいつもの笑顔に戻り少し小走りをし陽介を抜かした。


「そうなのね、、、、、、私は近くにいるのに告白すらできてないのに」

「ん?なんか言ったか?」

「いや、なんでもない。はやく日和先輩のとこに行こ。」


 穂乃果が何か言っていたが聞き取れず穂乃果の先導で日和の元に向かった。


「すみませーん!日和先輩いますかー?」


 日和の教室に着きドアの前で大声で日和の名前を呼んだ。

 教室中の生徒が驚いて肩をビクッと震わせ声の主である陽介には視線が集まった。

 

「えーと、、、すみませんでした、、、」

「あれー?小春ちゃんのお兄ちゃんじゃん!ここの生徒だったんだー」

 上級生の視線に居た堪れなくなりそーっと教室を離れようとしたら最近聞いたことのある声が教室から聞こえてきた。


「あの人は誰なの?」


 一足先に教室から離れようとしていた穂乃果が足を止め振り返り聞いてきた。


「この前美容院に行った時に知り合った店員さんだよ。」

「ふーん、、、、、また可愛い子が、、、」


 なぜかジト目になり独り言をゴニョゴニョと言っている穂乃果をスルーしとわの方に向いた。


「とわさん、お久しぶりです。」

「久しぶり〜、さっきひーちゃんのことを呼んでたよね?」

「はい」

 とわさんは日和先輩のことをひーちゃんという可愛いあだ名で呼んでいるので相当仲が良いみたいだなと陽介は内心少し嫉妬していた。


「もしかして、お兄さんが2回もひーちゃんに告白した子?」

「はい、そうですけど、、、」

「へー、そうなのかー世界はせまいなぁ」


 告白したことが知られていたことに若干恥ずかしさが込み上げてきてとわから目線をそらした。


「ひーちゃん、あと少しで教室に戻ってくると思うから私の席で少しはなそ、付き添いの子も一緒にね。」


  陽介と穂乃果を一切逃すつもりのない満面の笑みに2人は抗えずとわの席周辺に座らされた。

 

 

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