可愛いの先生
「とは言ったもののどうしようか、、」
新たな目標の宣言をしてから数時間後陽介は洗面台の鏡の前で頭を抱えていた。
陽介はこの2年間可愛いについて独学で調べ全てやってきたつもりだった。そのため自分では可愛くなったつもりでいたのだが、告白の結果として日和の好きな"可愛い"には届いていなかったのだ。
これ以上の成長は男1人では無理だと感じ、女性に教えをこう必要があると考えていた。
そこで問題になるのは誰に教えを乞うかだった。陽介は交流関係は多いものの問題も問題のため頼める人は限られいた。
陽介の頭の中に思い浮かんだ人物は3人いた。
1人目は穂乃果だ
穂乃果は学校でも人気がある紛れもない美少女だが候補からは除外していた。
なぜなら穂乃果は陽介が目指す可愛さとはベクトルが違ったのだ。
穂乃果は明るくスキンシップが激しいいわゆるギャルだ。
そして陽介の目指している女性像は穂乃果とは逆のお淑やかで清楚な女性なため除外していた。
2人目は母親だ
これは論外だ、まず年齢も離れているし何より母親に女装の指導をしてもらうのは恥ずかしいため除外した。
そして最後の1人はお淑やかで清楚、そして陽介の身近にいる超絶美少女だ。
だが一つだけ大きな問題があった。
「兄さん、こんなところで何してるんですか?」
「いや、なんでもないよ」
陽介は難しい顔からいつもよりも爽やかな表情で振り向いた。
そこには最後の候補者であり妹の
小春は陽介の一歳年下であり今年中学3年生であり受験生でもある。
小春は兄の陽介から見ても美少女だった。
黒色のストレートヘアーいつも整っており、健康的な体型でありとても和服が似合うであろう大和なでしこだ。
定期テストでは毎回1位をとっているし、どのスポーツでもエース級の実力がある文武両道で隙のない陽介自慢の妹である。
そんな彼女になぜ教えを乞うのを躊躇っているのか、それは妹の前ではかっこいい姿でいたいという陽介のプライドがあるからである。
小春は陽介をじーっと見てから洗面台に目を向け何かを察したのか目を細くした。
「小春?」
「いや、兄さんは私のような長い髪があるからもっと可愛くなるかなぁって」
突然の思いもよらぬ一言に陽介は目を見開いていた。
「本当か?!」
「えぇ、兄さんなら私が教えればもっと可愛くなるよ。私が兄さんを可愛くしてもい?」
「あぁ、いいぞ」
「やったぁ、ありがとう兄さん。じゃあ明日休みだもんで早速2人で買い物に行こうよ」
「おう、じゃあ明日な。俺は先に寝るから小春も早く寝ろよ」
思いもよらぬ形でことが運び嬉しさを抑えながら洗面所を後にする陽介は小春が頬に手を当てながら息を荒げ、とろけたような目で自分を見ていたことには気づいていなかった。
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