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 数日後、私は村沢山水むらさわ さんすいと白木屋匠に呼び出されて、学校の近くの川沿いの公園に居た。村沢君は小学校から仲良くしている男の子で、名前に同じ山が入っているってことで、お互いにずーっと好意を持っているはずなのだ。それに、何故か他のクラスなのに村沢君と白木屋君は仲が良いのだ。私達は友達というより仲間のつもりなのだ。そんな二人だから、私を呼び出したのだろう。少し、遅れて亜里沙も来ていた。


「おいっ 山城山葵 学校で変なウワサあるの わかってるのか?」


「うーん なんとなくネ」


「なんとなくじゃぁ無いだろぅ 山城山葵が、男を誘惑して やったんだってことまで言ってる奴も居るんだぞー お前はそんな奴じゃぁないよなー 何があったんだ?」


 村沢君は黙ったまま私を見詰めていた。私は、みんなにあの日のことを全部細かく話始めたのだ。そして、話し終えると


「山城 どうして そんなことがあったって、話してくれなかったんだよ」と、村沢君は私に問い詰めるわけでも無く、いたわるように言ってきたけど


「どうしてってー 村沢君にも心配かけたくなかったしー 脱がされかけたけど・・なんでもなかったし・・ もう、ウチも忘れたかったんやー」と、私は涙が滲んできていた。


「わかった わかったよ 山城山葵 辛かったんだなー もう 俺たちが 変なウワサから守ってやるからな 泣くな! なぁ 山水」


「あっ あぁー 山城は何にも悪くないんだから、堂々としていたら良いよ」


「そうだよ わさびちゃんの処女は俺か山水のもんやからー それにしても そんなええ加減なこと誰が言い出したんやろなーぁ 数人しか知らないことなんだろう? その音女の女って思いたくないしなぁー」


「どさくさに 紛れて 今変なこと言ったやろー・・ 勝手に・・」


「そうやー 白木屋君 いゃーらしいー」と、亜里沙も追い打ちをかけてきた。


 そうなのだ。数人だけのはず。あの時の男達は未遂に終わって逃げて行ったんだから・・・あの人。音女の人。助けたといっても、私が怖くてふさぎ込んでいるのに、他人事みたいに、彼氏と楽しそうに笑いながら帰って行った。きっと、私のことを見下して、ふらふらしてるからよって、言っていたに違いないワ。


 だけど、私は、ありがたかった。やっぱり、仲間なのだ。ずーと、ふさぎ込んでいたけど、私は、この仲間にだけでも、信じてもらって、気が楽になっていたのだ。

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