第4話 選択の末路
「俺は……俺は……! やっぱり仲間を見逃すことは出来ない! 済まないぃ……!」
なるほど。仲間の命を選んだか。つまりイージーモードってことだな!
仲間を見捨てていたらハードモードにしようと思っていたんが……何がイージーやらハードだって?
ならば見たまえよ! 俺は別に殺すとは言ったが……直接手を下す訳じゃあねぇ。
『
俺がそう静かに唱えて指を鳴らすと……荷車に積んでいた奴隷の少女が突然踠き苦しみだし、後の絶叫後、モリモリと姿形を変えて行き、やがて気色悪いクリーチャーと成り果てる。
「ぐ……ううぅ……うああああああ!!! ウオオオォ……」
「完成だ! 勇者君。これが君の選択の末路だよ。君の選択は奴隷を化物に変えてしまった! あぁ、なんて嘆かわしい(棒)」
「ッ!? 貴様あああぁぁ!!」
「おっと、俺を相手にしている暇は無いぞ? この奴隷には最早自我はない。あとは本能のままに街を襲うだけだ」
良い表情してるねぇ……。あぁ〜クズな性格って得してるわぁ……。
楽しい冒険とはまさにこういうのを言うんだな!
「さ、俺はそろそろ此処でお暇するよ。じゃあねえ……」
なんて言いながら俺はその場で透明化する。最後まで勇者君の覚悟を見届けてあげないと……。
「今すぐ楽にしてやるからな……うおおぉ! 滅破・空烈斬!」
勇者君は元少女の化物に突進すると、一撃で身体をバラバラに切り刻む技を繰り出す。
そこから背後で待機していた女魔法士が炎魔法で化物を一気に燃やす。
「ギャアアアァアァアァッ!! イタイヨォ……イタイヨォ……ワタシ、ナニモシテイナイノニ……」
しかし化物はここであり得ない程の超回復を見せ、バラバラになった身体は一瞬で元通りになる。
あらあら、余計に苦しませるとは何を考えているのやら。
「畜生! うおおおおおぉ!! 光滅破・改ッ!!」
今ので殺しきれないと分かったのか、勇者君はめちゃくちゃ光を噴出する剣を化物に振り下ろせば、空を貫くほどの光柱が化物を吹き飛ばす。
まるでサテライトビームキャノンを地上へ数秒間照射する光景で、その跡地は化物の跡形も無く、小範囲の焼け野原が出来上がっていた。
わぁお……なかなかえぐい技じゃん。
「はぁっ……! はぁっ……! うわああああああ!!」
勝利の雄叫びかね? それとも嘆きの叫びか。どちらにせよどうでもいいが。
とても良い戦いだった! 是非賞賛の拍手を送りたい! 8888888。
さぁて、バレる前にさっさとどっかいこっと……。次は何処にいこうかなぁ〜。
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