第3話 究極の選択
『
俺は即座に男の背後にいる二人の少女にステータスを見破る魔法を心の中で唱えた。そこにはハーレム主人公に相応しい力が眠っていた。
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名前:クレア
年齢:21
職業:魔法士・幼馴染
レベル:56
HP:1300
MP:2600
攻撃力:400
防御力:350
魔力:750
俊敏力:700
運:450
スキル:
・ブレイズバースト 《LvⅣ》
・クリスタルレイン 《LvⅢ》
・ゲイルカッター 《LvⅠ》
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名前:イリス
年齢:8
職業:奴隷
レベル:20
HP:250
MP:500
攻撃力:20
防御力:20
魔力:300
俊敏力:30
運:100
スキル:
・エクストラリバイバル 《LvMAX》
・エレメンタルグロウ 《LvⅨ》
・トランセンデンタルウェーブ 《LvMAX》
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なんつー能力の高さだよ……。クレアはまぁまぁ高めだけど、イリスはドン引きレベルだ。この男はイリスのこの力を本当にしって奴隷に迎え入れているのかねぇ……。
完全回復に超強力バフ、異次元魔法。もし俺が弱かったら是非とも仲間にしたいね。この男にはもったいない。
だが、どちらも俺には無用。だってこっちには神様が奴隷だからなぁ!?
「若い女性に老人まで奴隷にするとはなんてクズ男なんだ。俺はお前をここで倒すッ!!」
ほう……。と、俺がやれるものならやってみろと言おうとしたころ、神爺がでしゃばる。
「ほう……。若いの。ちょっと儂の目ぇ見てみぃ?」
「は?」
おや? 神爺なにをするつもりだ?
空間が重くねじ曲がり、俺の心臓が止まる。すぅーーーッはぁ~~~。心臓が止まってもいい気分!
「うぐっ!? ぐ……。な、なんだ? い、息が……」
「何!? 胸が苦しい……」
「あれす……なにこれ……?」
あの男の名はアレスというのか。3人は胸。心臓部分を苦しそうに抑え、アレスにいたっては膝を付くほどに苦しむ。
「ようも神に向かってジジイとかいうたなぁ? あんまり老人を舐めない方がええぞぉ?」
「え゛……いや、そうは言ってないし何で神様が人間の奴隷に゛……?」
「……たしかにそれもそうじゃな! すまんすまん。因みに隣にいるのは女神じゃ」
空間の歪みが無くなり3人が息を整える。そして……。
「ええええええ!? いやいや、まさか女神様がこんなところに……」
「居てなにか悪い……?」
またしてもぞくりと空間が一気に冷える。
「す、すいません……」
『
そろそろ黙りやがれ糞神共。奴隷は奴隷らしく大人しくしろ!
これは神さえもたじろぐ眼光だ。
例え立場が逆転したとは言え、普通の言葉では聞かないのだよ。
「さっきからピーピーとうっせえんだよ。お前らのプライドが最低限残っているのは、俺の趣味であり温情だ。
人格崩壊とかもさせて良いんだぜ? お前らが望むならなぁ?」
「何が温情よ! 力が戻ったら後悔させてやるんだから……」
おうよ。その意気だ。その対抗心はいつまでも持ってくれ。それがお前にとっても生き甲斐なんだから。
因みに女神の名はミア。神爺の名前はバルサム。
これから名前でこいつらを呼ぼうと思う。きっとずっと女神や神爺じゃ混乱する時が来るだろうからな。
「さて、俺がどんな人間か分かったかな? アレス君。そしてクレアとイリス?」
「なっ……俺たちの名前までお見通しかよ……。だが……俺は勇者で……」
お前が勇者かよ!? なら尚更許せねえ! ハーレム糞テンプレ勇者がよぉ!!
『
パリーンと何かが砕ける。お前は勇者でもなんでもない。肩書きとしては残るけどな。
お前が勇者であるかどうかは何を持っても判別できなくしてやったぜ。
「……? 一体なにを?」
「さぁな? それはさておき。お前はどうするって?」
「俺は勇者だ! やはり神までも奴隷にするというなら、なおさらここで逃せない!」
「あぁ、そうかよ。ならしょうがねえな。お前には2つの選択肢を与えよう。
俺は今ここで荷車に積んだ奴隷を殺す。そして目の前のお前の幼馴染と奴隷も殺す。
知らない奴隷と、仲間の命どちらを選ぶ?
おっと、俺を倒すとかいう愚かな選択肢は無いぜ? そんなの無理だから。
あぁ、選択破棄という選択肢も特別に用意してやる。その場合はどちらも平等に殺すからなぁ?」
さぁ悩め。悩んで悩みまくれ。知らない奴隷を殺せばお前の勇者という意味のない肩書きさえも汚れることになり、知らない奴隷を選べば仲間を見捨てることになる!!
なんて究極の選択なんだ!
「俺は……俺は……!」
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