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Glowing Stars 優城光くんへ


推しがいる人生は

最高に楽しくて、幸せです。

頑張りすぎないでほしいけど

頑張ってくれて、ありがとう。


芙由より

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「──……おーい」

「………」

「……おーい、光〜?」

「……あ、ごめん。なに?」

「大丈夫?なんかあった?」


 メンバーの司が心配そうに横から覗き込んできて、ハッと我に返る。



「次のダンス練の間ちょっと寝たら?俺、マネージャーに伝えとくから」

「………いや、大丈…」

「無理すんな。光がそれ読んでる時だいたい重症だからさ。笑」



 重症……そうかもしれない。


 司の言うとおり、2ヶ月前から主演ドラマの撮影中かつ年末年始の特番の収録も重なっているせいで、ほとんど寝られていない。


 睡眠不足って一番しんどいよな。まったく頭が働かない。ひどい倦怠感と眠気で、正直フラフラだ。


 身体がしんどいと、ついネガティブ思考になって……


 手紙を読みたくなる。

 芙由さんからの手紙を。

 これがここ数年は俺にとって、癒しの時間だ。



 “言ってることとやってること全然ちげーじゃん”


───…なんとか距離を縮めたかった。


 遠慮されてるというか。壁を作られてんのが分かったから。早くこの関係性を変えたくて……。


 俺ん中ではちゃんと覚悟決めて、勇気出して家に誘ったのに拒否られて。つい苛立ってしまった……あの日の俺。


「あぁーもー……。何やってんだ俺は」


 思い出して、髪をワシャワシャと掻く。

 正直ものすごく後悔してる。早く会って謝りたいけど……なかなかゆっくり会いに行く時間がないのが、もどかしい。



「もしかして、芙由さんと喧嘩でもした?」


 司が、撮影スタジオの控室に用意されている水を持ってきてくれた。相変わらず察しが良い。


「司………今日この後ちょっと付き合ってくんね?」

「ん、いーよー」




───…深夜3:00。収録が終わった。


 ドラマの撮影が朝の5:30からあり、移動含めた次のスケジュールまで、2時間ぐらい空きがある。


 司を助手席に乗せてハンドルを握り、夜の首都高を行く宛てもなく走った。



「なぁ……司……?」

「んー?」

「俺らってさ……………」


 ふいに生まれた疑問を、口にする。


「結婚とかできんのかな?」


 んー、と少し言葉を選ぶような素振りをしてから、司は言った。


「まぁ……当分無理っしょ。笑」


 割り切った様子であっけらかんと。司からしたら、大して考えてもいないことなのだろうか。


「だよなぁ」と、独り言みたいに呟く俺。


「……木村拓哉ぐらいじゃない?あんな人気絶頂で結婚してもずっとトップでいれるの」


 たしかに……。まぁ分かってはいたけど。実際こんなに真剣に自分のプライベートのことを考えたのは……正直、初めてで。


 車内にゆったり流れる耳慣れた洋楽をぼーっと聴き流しながら、無言で車を走らせる。



「………まさか光……ガチで惚れちゃった感じ?」


 ちょうど俺が口を開こうとしたところ、絶妙なタイミングで司に聞かれた。



「…………かもしれない」


 小声で答える俺をチラッと見ると、司はドリンクホルダーからコーヒーを手に取り、静かに一口すする。


「……そっか。……やっぱな」


 助手席側の窓から東京の夜景を眺め、何かを悟ったみたいにそう言った。司にはもうバレてたらしい。少し笑いながらも真剣な声で、こう言った。


「俺、いいと思うよ」

「え……?」

「芙由さん。あの人きっと、信用して大丈夫な人」


 俺の直感当たるからさ、と言ってニマリと笑う司に、なんだか嬉しくなった。



 どこが好きなのかとか……細かいことをいろいろ聞かれても、上手く答えられなかったと思う。


 でもどうしても、気になるんだ……どうしても。


 司はコーヒーを置いて、俺を見る。


「それなりの覚悟で関わってたんだと思うし。気持ち、素直に伝えてみたら?」


 今度は運転する俺の分のコーヒーをドリンクホルダーから取り、俺の手元に差し出してくれた。


「………さんきゅ」


 右手でコーヒーを受け取る。

 左手でハンドルを握り直し、コーヒーをクッと喉に流し込んだ…───

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