第2話 2度目の再会~傷心~
それから数ヵ月が過ぎ────高2。17歳。夏。
「俺が、お前を本気なわけないじゃん!」
ズキン……
「お前が俺を好きだって噂で聞いてさー……」
バシッ
相手の頬を打つ私。
「ってーー」
「…最っ低っ!それじゃ……まるで都合の良い女じゃん!!身体だけの関係だったって事…?私…一人で馬鹿みたいに浮かれて…」
私は走り去った。
私は無我夢中で走り、部屋までまっしぐら。
ベッドに顔を伏せ大泣きした。
「…っく…」
ギシッ
ベッドに誰かが腰をおろした気がした。
「………………」
「何があったか知らへんけど…人の部屋で泣かれても困るわ」
「………………」
私は起き上がる。
グイッ
抱き寄せ抱きしめられる。
ドキン……
「普通なら警察沙汰やで?…でも…これも何かの縁やろな…」
抱きしめた身体を離すと、キスされた。
ドキン
両頬を優しく包み込むように触れる。
「また男にフラれたんか?」
「………………」
《…えっ?…どうして…?》
《あれ…?ここ…私の部屋…》
「えっと…」
再びキスをされ、深いキスをされ、ゆっくり倒される。
「ま、待って…!」
「別にHする気はない!まあ、あんたが慰めて欲しい。忘れたい言うなら相手してやってもええけど?」
「や、やだ!私はさっきそれでフラれたんだから!」
「………………」
「ほな大人しくないしときぃ」
それから一年が過ぎ────高3。冬。
「可愛かったから付き合った。ただ、それだけ」
ズキン
「俺さー、本命いて……」
バシッ
相手の頬を打ち走り去った。
その途中、ストリートライブをしている男の子が歩いている私を見かけると声をかけられた。
「どないしたん?可愛い顔が台無しやん」
「…じゃあ…唄って…元気もらおうかな…?」
「えっ?」
「ギター持ってるから何か弾けるんでしょう?」
「まあ…」
「ついさっき…彼氏にフラれちゃったんだ……。可愛いから付き合った……ただ、それだけ……。私一人で馬鹿みたいに浮かれて」
男の子は曲を弾き始める。
涙がこぼれる私。
「あんたの笑った顔…見た事ないけど」
「えっ?」
「人は、これを偶然と呼び運命とも呼ぶ。偶然が必然的に変わる瞬間かもな」
「……あの……」
「今日で3回目。あんたと俺。何を引き寄せてんだか…」
「そうなんだ。じゃあ、磁石で言うと、SとNだね」
「えっ?」
「…なんて…ありがとう…それじゃ」
「待てよ!」
私を呼び止めると何かを首から下げる。
「お前にやるよ。お守り。俺が、いつも愛用しているアクセ」
「でも……」
「あんたに幸せ来るように」
ドキン
「じゃあ私もこれをあなたに」
「えっ?」
私はお気に入りのブレスレットを渡す。
「ストリートライブするって事は唄うのが好きでアーティスト目指してるんでしょう?CDデビュー出来るように……私がどんな時でも身に付けていた。お気に入りのブレスレット。それじゃ」
私達は別れた。
関西弁だったり
標準語だったり
不思議な彼だけど
今度 逢うときは
お互いが忘れていても
いつか また出逢えたとき
2人が幸せであるように─────
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