(四)
ときどき小休止を挟みつつ、郁美が話をしながら二人は穴を掘り続けた。
愛希子はどこまで掘っていいのかわからなかったので、しんどかった。
しかし、郁美の話を聞いていると、郁美は愛希子以上にしんどかったんだと思った。それも中学一年の頃からずっとそんな秘密を抱えて生きてこなければならなかったのだ。そう思うと、シャベルを、そして幼なじみを放り出して帰ることなんてできなかった。
郁美の父親が暴力を振るっているという話は、当時は知らなかった、しかし多少のことは、愛希子の親から聞いたことはあった。そのときは「DV」というものがどういうものなのか知らなかった。
(続く)
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