(二)-6

 解散組の同窓メンバー数名はさらに駅まで来ると、列車に乗って帰るメンバーと実家に帰る愛希子とで別れた。

 愛希子は当時のことを思い出しつつ実家に続く道を歩いて行った。

 途中に幼なじみの郁美の家に差し掛かった。玄関先には「売約済み」の看板と、工事の告示の看板が昨夜と変わらずに掲げられていた。

 愛希子と郁美は学校へ行く際に、郁美の家の玄関先でよく待ち合わせをした。ここから小学校、中学校へと歩いて通い、高校へ向かうためにここから駅まで一緒に登校した。いつも一緒だった。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る