世界を崩壊させる四次元に繋がる袋

夢中でBLUE CATの背中を追いかけた。

けれどもこの袋の中の世界は景色が無く、

沢山の機械?廃棄物?が散乱している。


それを避けながら必死で走った。

しかし腐っても猫、獣の如く人とは(元から人ではない。)思えない動きでアリエルを翻弄しながら先へ進む。

あっという間に万能AndroidのBLUE CATとの距離はどんどん離れていく。

息が続かない……。

仕方なしに立ち止まり息を整えた。

そして改めて周りの景色を見ると、

なんとも非現実的な世界。

縦も横も左も右も無い。

いろいろと落ちている物を手にして見てみる。竹とんぼやフラフープ、それに懐中電灯のような物も転がっている。

懐かしいような……

斬新なような……

無重力ににも似たこの空間。

それはまるで……、


「なんなんだこの廃棄物処理場みたいなところは……。」


まるで世界の終わりを見ている様だ。


しかしそれよりも出口も入口もないこの世界どうやって抜け出したら良いのだ?

その全てを知るBLUE CATも見失ってしまった。念の為スマホを使って司令官に連絡を試みるがやはり圏外だ。


「しまったなー。考えなしに飛び込んでしまった……。」

そんな時は言葉にだして今やるべき事を考え直すべきだ!!落ち着け……。

そう思いながら呼吸を整える。


「落ち着くんだアリエル。こんな時はとにかく……そうだな…何をするべきか……。うん。糖分だ。糖分を取れば頭が働くはず。」


とポケットを探る。

たしか昨日チョコレートが入ってた……

のは食べたな。うん?なんだこれは?

チョコレートはなかったけど、鞄の中に袋に入った小菓子が……。

あーそういえば誰かのお土産が置いてあってもらったっけ?


「ふーん面白い食べ物だな。何やらパンケーキに甘く炊いた紫色の豆が挟んであるんだ……ってうわーなんだよお前!!」


後ろにいつのまにかBLUE CATが立っていた。


「それ…。」


「ん?これか?」


「大好物なんだ。だからちょうだい。」


全く困ったやつだ。

自分の正義を貫く為にさっきまで逃げ惑う奴を追いながら子憎たらしいやつめ!!と思っていたのに……そんな求める様な眼差しでこちらを見つめながら擦り寄る感じで来られたら……


「よしよし。良いいいこだ。これをやるから、こっちへおいで。」


「うん。」


そして頭を撫でながら……


「どうしてこんな事をしたんだ?」

と聞いてみる。



「モグモグ。うん、それはさっきも言ったじゃん……ゴクン。僕は飼い主に忠実なだけさ。

僕の飼い主はさ、まだ小学生なんだけどね……幸せじゃ無いんだって。それはさ、

自分の家が貧乏すぎて、お小遣いが少ないからみたいなんだ。それでさ、モグモグ。

そもそも先祖に不幸をもたらした元凶がいるらしくてね、その先祖を幸せにしなさい!!と命令が下ったわけだ。」


こいつ……さっきは飼い主に忠実て言ってたのにベラベラ喋るな……。しかし黒幕は小学生?しかも小遣いが少ないから先祖の人生を変えろって?!そんな子供じみた理由で、

世界経済を揺るがし、他人に無関心な世界へしてしまったのかよ。(まー子供だけど)

でもそんな事したらその子供って……。


「こいつ飼い主の事、簡単に喋るな?とか思ったでしょう。」


「え?!」

なんだよ心が読めるのかよ。


「それは違うよ。僕は君にこの紫色の豆を炊いたのをパンケーキで挟んだ物を貰った。だから恩義は返さないとね。それが忠実ってもんだよ。ペロペロゴクン。それで僕は最後にもう一つだけしなければならない事があるんだ。それだけしたら君と一緒に時空警察に出頭しよう。君も一緒に見届けてよ。僕の最後の仕事。」



何となく憎めない奴だと思ってしまった。


「よし。必ず約束は守れよ。」


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