世界経済を揺るがす赤き扉
『BLUE CAT』は神出鬼没。
いついったいどの様にして現れるか、
全く持ってその謎は解明されないままだった。けれども時空警察は遂にBLUE CATのだす、周波数を捉える事ができるのだ。
そう……この数年の時空警察の依頼を受けた警察庁の科捜研の活躍で奴はAndroidという事は明らかになっているのだ。今回捉えられた座標は1970年辺りのJAPAN。
この頃を境に一部の地域で『時空の歪み』が発生し始めている事もあきらかになっている。調査によると、どの様にしてこの時代にたどり着いたかはまだ不明だが、1970年頃に現れた[BLUE CAT]は一定の間隔で不思議な扉で空間を行き来し始めたらしい。
その度にあらわれるこの『時空の歪み』、
実は空間と空間を繋げるという当時の技術では考えられない構造になっている。その論理的解明が明確になったのは2200年を過ぎた頃の話しだ。
ところがこの時空の歪みに目を付けたのが、大手電気メーカーのマメソニック。
その研究者たちは極秘に時空の歪みを調べ上げて、遂にBLUE CATと接触。
そして謎の赤き扉の構造を科学的に解明し、
1999年ついに世の中に世界を自由に行き来出来る扉を世に送り出したのだ。
これが無秩序の発展の始まりだった。
論理的解明のされない技術で作られたこの扉。便利な反面、犯罪にひどく横行され、
世界は恐怖に陥れられた。
更に、一台35億円というとんでもな無い値段にも関わらず世界の資産家達が買い荒らし、
移動という手段をそれ一つにまとめしまったため、車メーカー、飛行機業界、そして旅行会社の多くが倒産に追い込まれ、当然ながらその部品を作る下請け会社もことごとく、
職を失う事になった。
働きたくても働き口がらない。
正社員なんてほとんどなく僅かな賃金で派遣として働き続けなければならない。そんな状況で職を失った庶民は労働意欲を失い、
手軽に出来るスマホでの投資で『マメソニック』株を競う様に買い、不眠不休でデイトレードにあけくれたのだ。
貧富の差は広がり人はその頃から生気を失い始めたのだ。
あの日『BLUE CAT』があの時代に降り立ちさえしなければ…科学の進歩の秩序さえ守られていれば……そう思うといてもたってもいられなかった。
とはいえ、時代を超える『タイムマシーン』があるわけでも無いという現実、今アリエルたち時空警察にできる事は、神出鬼没のBLUE CATがこの時代に来るのを周波数と座標を手に監視して現れた時に捉える事しかできないのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます