CODE NAME BLUE CAT 〜未来を犯すもの〜

雨月 史

序章 無秩序に進化するという事は無害ではないのだ。

何故人は考える事をやめてしまったのだろうか?それは快適な生活を求めて科学と化学の進歩に頼りすぎた故の結果に過ぎない。

けれども手順さえ間違えなければこんな事にはならなかったかもしれない。


進化という物にも立派な手順というものがあるのだ。無秩序に発展するという事は、

決して無害ではないのだ。


火の発見とエネルギー革命、歴史を変えたビール・ワイン・蒸留酒、金・銀への欲望が世界をグローバル化したのだ。石油に浮かぶ文明、ドラッグの恐ろしき魔力、化学兵器と核兵器……。化学は人類を大きく動かしている――。化学という学問の知的探求の営みを伝えると同時に、人間の夢や欲望を形にしてきた「化学」の実学それは、進化する為に失敗を重ね、問題点を洗い出し、改良に改良を重ねる。そしてそれを民族が理解し受け入れて

社会の秩序に見合う使い方を見出していく。

無秩序に進化を続ける事は無かっただろう。


西暦1974年

chord name 『BLUECAT 』

やつがこの時代にあらわれるまでは……。


。。。。。


大きなスクリーンに世界の地図が映し出される。その上の方には西暦が検索されているかの様に増えたり減ったりして行き来している。すると突然画面の光が明暗を繰り返し、

上にあるパトランプが光り始めた。


「司令官。BLUE CAT現れた座標が見つかりました。」


「よし、そのまま監視を続けろ。今はどの辺りだ?」


「はい。定位置ですね。1970年代を行ったり来たりしています。」


BLUE CATは神出鬼没だ。

白亜時代から我々が今生きる時代まで、

その行動範囲は幅広い。



「おいアリエル、そのまま監視を続けるんだ。奴はタイムマシーンを所有している。

けれども我々は時間の行き来する手段はない。だからこの時代に来た時に奴を捕える。

歴史上この時代のあたりで、やつがあの『赤き扉』で世界を乱し始める……。」


「了解しました司令官。」



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