第25話 隼人と詩織の関係を父雄介が?






 スホ(隼人)は朝鮮大学校1年生の麗らかな春の日に、デパ-トでスカウトされたのだが、韓国で俳優デビューに向けての養成所通い。更には大学も何としても卒業したかったスホは、編入学を果たして韓国の某大学に籍を置いている。


 そして2年の養成期間ののち、20歳で俳優デビューを果たしていた。


 それでも何故?韓流スターの道を選んだか?また何故……大学まで早急に韓国に編入しなければならなかったのか?


 あれだけハンサムなスホは、日本に居た時にも日本の芸能界から熱い視線を送られていて、度々スカウトされていた。それなのに何故?わざわざ遥々海を越えた韓国に渡ってまで、芸能活動をする事になったのかという事だ。


 実は詩織(幸子)とすみれに百合の3人が殺害されるまでの、4年にも及ぶスホと詩織の濃密な関係が災いしている。2人の関係を雄介が気付かない訳がない。




 ある日の事だ。


 すみれと百合はピアノや習字と習い事で家にいない。そんな時に雄介が仕事先から予定より早く終わり早々に帰宅した日の事。


「お~い!帰ったぞ~!」


 いつもだったら真っ先に「お帰りなさ~い!」玄関に出迎えてくれる筈の詩織の姿が無い。詩織と隼人の2人は、あれ以来3人の目を盗んで度々肉欲にふけっている。


「あっ!ヤッバ~い!お父さんだ!」


「本当!絶対内緒ね!」


「アッタリキだ!!!」


 急いで出迎えに出た詩織の姿にホッとした雄介だが、それと同時に何かしら感じる男の感とでもいうのだろうか?髪は乱れて、いつものお気に入りの淡いオレンジ色の口紅は所々剝げて………?よく見ると乳輪が白いブラウスから透けて見える。


 まあ~!元々ブラジャーは外出する時は付けているが、グラマラスなボディ-の為嫌がり家では外している事もあるので………?


 こんな真昼間に……どこか甘ったるい女を漂わせる詩織に、興奮すると同時に誰か男の影???


(愛する詩織に男……?とんでもない!2階には隼人が勉強中……)


 沸々と沸き上がる疑念と嫉妬。髪の乱れと……唇の色の濃淡が一層妖艶さを増し……今し方……誰かに抱かれてきた後なのかと、勘繰りたくなるあの満たされたさま……



ああああ……!許せないもしかして誰か男でも……?今抱いて反応を見てみよう……)


 疑念を払拭する為にも、離れの和室に強引に引きずり込み、嫌がる詩織のブラウスを無理矢理剝ぎ取り、ソファーに押し倒しキスを💋……更には○部に指を……


「ヤヤ 止めて下さい!隼人に感づかれたらどうするんですか?」


 2階では隼人が聞き耳を立てて2人の成り行きを聞いている。


(ああああ……俺といつもやっている事を……父とやっているああああ……!嫌だ!不潔だ!)



 和室では嫉妬と欲望の狭間で……強行に事に及んで、詩織の浮気の証拠をほんの些細な変化からでも読み取ろうと、無茶苦茶に……獣のように荒々しく詩織抱いている雄介。


 すると……「パンティ-を付けていないじゃないか!まさか、あんな…まだ子供の隼人に手を出したと言うのか……エエエエ————!許せないハッキリ言え!」


 いくら何でも……家といえど、パンティ―まで穿いていない等到底考えられない。そんな下着のパンティも付けていない事など、子供達の手前絶対にあり得ない。これは今誰かと事に及んでいた重要な証拠。


「お前まさか……俺の可愛い息子に手を出したのか……?許せない!…お前みたいな女出て行け————!」詩織は目が覚めた。


(とんでもない事をしてしまった!とんでもない高見に登れる筈だったのに……ああああ……何て事をしてしまったんだ。いつの間にかこの生活が当り前だと勘違いしていた。自分の魅力にあぐらをかき過ぎていた。この幸せはこの先ズ————ッと!続くと思って疑いもしなかった。それが今出て行けだと—ッ!ああああ……何というバカな事を……)


「ちっ違う!絶対そんな事していない!絶対違うから……」


 詩織は(今の生活を何としても守り抜く!)そう強く心に誓うのだった。


(その為には隼人との事はもう絶対に終わりにしよう!)だが、そう簡単には行かないのが世の中。


 若い男の子から美味しい餌を奪う事等どうして出来よう。こんな血気盛んな男の子が、我慢出来る筈がない。


 それは(もう終わりにしよう!)と強く誓った詩織とて同じ。


 綺麗な男の子を知ってしまった今、中年に差し掛かった魅力の欠片も無いオジサンに抱かれるなんて……。



 それでも紳士で優しくお金持ちな所が、何にも代えがたい魅力。宝。その宝を守る為だったらなんだって出来る詩織。


 今……この男を逃がしたら一生こんな男に巡り会う事は出来ない。どんな事をしても、今の家庭を守り通そうと強く誓うのだった。




 だが……詩織のそれだけ強い思いとは裏腹に、死へのカウントダウンが近づいている。そしてあれだけの薬物中毒者が、いかにして立ち直る事が出来たのか?



 実は詩織のバックには巨大な暴力団の影が見え隠れする。あの村田哲は実は売れない時期に、顏を全く別人に整形したのだと言う噂も、漏れ聞こえて来る今日この頃。


 犯人は村田なのか?それとも隼人と詩織の現場を目撃した父雄介の犯行なのか?まさか隼人が?それとも北朝鮮の重要な秘密を知った為に北朝鮮に、消されたのか……?




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